ヒトコトあらすじ
架空の町「モルガナ」の40年間をあらゆる住人の視点を経て描いていくという短編連作形式の物語となっています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
L作者について
L同じ作者の他作品
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
●2.社会データ
L歴史的背景
L社会に与えた影響
Lメディア化
●3.類推データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
1.基本データ
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初刊:1949年 作者:ユードラ・ウェルティ
長さ:短編連作 ジャンル:群像心理
キャラクター構成
★ー『マクレイン家』ーーー
キング・マクレイン・・・・神出鬼没の男。町はずれの森でさまざまな妻と関係を持つ。
マクレイン夫人(旧姓スノーディ・ハドソン)・・・キングの妻。
ランドルとユージーン・・・・キング夫妻の息子兄弟
★ー『スターク家』ーーー
コーマス・スターク・・・・リッジー・モルガンの夫
スターク夫人(旧姓リッジー・モルガン)・・・・コーマスの妻
ジニー・ラヴ・・・・スターク夫妻の一人娘、ランドルの妻となる
★ー『モリソン家』ーーー
ウィルバー・モリソン・・・・モリソン夫人の夫
モリソン夫人・・・・ウィルバーの妻
キャシーとロック・・・・モリソン夫妻
★ー『カーマイケル家』ーーー
カーマイケル氏・・・・ミス・ネルの夫
カーマイケル夫人(ミス・ネル)・・・・カーマイケルの妻
ニーナ・・・・カーマイケル夫妻の一人娘、ジニー・ラヴとともに湖への冒険へ出たりする
★ー『スパイツ家』ーーー
フェリックス・スパイツ・・・・ミス・ビリー・テキサスの夫
スパイツ夫人(ミス・ビリー・テキサス)・・・・フェリックスの妻
ウッドロー、ミッシー、リトル・シスター・・・・スパイツ夫人の子どもたち、左から息子、娘、娘
★ー『ムーディ家』ーーー
ムーディのおやじ・・・・ミス・ジェファーソンの夫
ムーディ夫人(ミス・ジェファーソン)・・・・ムーディの妻
パーネル・・・・ムーディ夫妻の娘
★ー『レイニー家』ーーー
フェイト・レイニー・・・・ミス・ケイティの夫
フェイト・レイニー夫人(ミス・ケイティ)・・・・フェイト・レイニーの妻、キングと肉体関係がある
ヴィクターとヴァージ・・・・フェイトレイニー夫妻の息子と娘
舞台
モルガナの町・・・ミシシッピ州マクレイン群にあるとされる架空の町。群像劇が描かれる舞台。
詳しいプロット(展開)
下記の7話は「モルガナの町」の40年間を、時系列順に並べられたものとなっています。そして主にマクレイン家を中心として、あらゆる人物の視点から物語が紡がれていくという形式となっています。
●第一話「黄金の雨」
第一話「黄金の雨」はレイニー夫人ことミス・ケイティの”語り”となっています。レイニー夫人がキング・マクレインとの肉体関係を匂わせるような内容などをゆきづりの人物にひたすら話すという形式となっています。
●第二話「六月のリサイタル」
モリソン家の子どもである姉弟・キャシーとロックの視点を通して、マクレイン家(スノーディ家)に起きたことが語られていきます。
●第三話「ウサギさん」
マクレイン兄弟(ランドル・ユージーン)がモルガナの外れの森で娘マティ・ウィルを待ち伏せして襲うという内容となっています。
●第四話「ムーン・レイク」
ジニー・ラヴとニーナが、孤児のイースターに魅せられて、湖の反対側へと冒険するという内容となっている。しかしイースターが湖で溺れ、ロック・モリソンによって助けられるという流れとなっている。
●第五話「世間の誰もが知っている」
ランドル・マクレイン(キングの息子)が、妻のジニー・ラヴに浮気され、若い娘に言い寄る話となっており、ランドルの哀しみに暮れる心理状態が描かれていきます。
●第六話「スペインからの音楽」
舞台はモルガナから離れ、スペインの町での出来事が描かれる。
主人公はランドルの弟であり、キングの息子であるユージーン・マクレインが主人公となっている。
ユージーンはモルガナを離れ、サンフランシスコ住んでいた。かつては娘がいたが亡くしてしまい、それによって妻との関係が悪化して暴力をふるってしまう。自分自身に驚いたユージーンはスペインへと出かけ、ギターを弾く男に出会い、自分を見つめ直すといった話になっている。
●第七話「放浪者たち」
レイニー夫人(ケイティー)の葬儀と、その娘ヴァージの出発などを描くエピローグとなっている。
文章抜粋
● 私はそんなこと言わないわ。キングはただ我儘なのよ。先のことなんか考えない。ある人たちにたいしては。そう、あのひとがスノーディと結婚しちゃったわけ。(第一話「黄金の雨」より抜粋)
●キャシーはまた眠りにおちた。一つの顔が自分を覗きこむのがわかったのは夢のなかだけっだ。生真面目で癒やされることのないまばゆいその顔が、いつもあの詩に出てくる顔だったことがキャシーにわかったのは、夢のなかだけだった。(第二話「六月のリサイタル」より抜粋)
●「ああ、こんにちわ。撃たないでくれよ。キング・マクレインさ。このあたりで猟をする習慣があるんでね」(第三話「ウサギさん」より抜粋)
●自分の丸めた手のひらに、みなぎってくる肌に、指にこめられた突き破ってきそうな重みと静けさのなかに、一つになった夜への思いやりと、ある種の競争心を、ひたむけなエクスタシーを、あこがれを、ニーナは感じとった。(第四話「ムーン・レイク」より抜粋)
●父さん、ユージーン!あんたたちが出ていって見つけたものは、これよりましだったかい?そしてジニーはどこにいるんだ?(第五話「世間の誰もが知っている」より抜粋)
●サンフランシスコの街は、近くに見えるところはずいぶん醜悪だが、遠くを展望するとたいへん美しかった。(第六話「スペインからの音楽」より抜粋)
●耳元で世界が打ち鳴らす不思議な音に耳をすませた。そぼふる雨のなか、疾駆する馬や熊、飛びかかるヒョウ、固い皮で滑るように進む竜、そして輝く白鳥のトランペットの音が二人に聞こえてきた。(最後の一文)
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作者について
ユードラ・ウェルティ
アメリカの女性作家。多くの職業に就き、広げた見聞を活かした作品を多く残している。
同じ作者の他作品
小説
- 『緑色のカーテン-A Curtain of Green-』短編集1941
- 『大泥棒と結婚すれば-The Robber Bridegroom-』1942
- 『紫色の帽子-The Wide Net and Other Stories-』短編集1943
- 『デルタの結婚式-Delta Wedding-』1946
- 『黄金の林檎-The Golden Apples-』短編連作1949 ※今作
- 『ポンダーハート-The Ponder Heart-』1954
- 『イーニスフォルンの花嫁-The bride of the Innisfallen-』短編集1955
- 『大いなる大地-Losing Battles-』1970
- 『オプティミストの娘(マッケルヴァ家の娘)-The Optimist’s Daughter-』1971
写真集
- 『One time,One Place』1971
評論・自伝
- 『The Eye of the Story』評論1978
- 『One Writer’s Beginnings』自叙伝1984
同じ年代の有名作品
- 「カクテル・パーティ」T・S・エリオット(イギリス1949)
- 「ヘリオーポリス」エルンスト・ユンガー(ドイツ1949)
- 「人食い」ジョン・ホークス(アメリカ1949)
同じ国の有名作家
- アーネスト・ヘミングウェイ(アメリカ)
- トマス・ウルフ(アメリカ)
- フランシス・スコット・フィッツジェラルド(アメリカ)
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2.社会データ
歴史的背景

※上記写真は米大統領「ハリー・S・トルーマン」任期は1945-1953年、1949年にも大統領として在任していた
1949年のアメリカは、数年前の第二次世界大戦での勝利により正義・繁栄の象徴として国際社会のなかで確固たる位置を築いていきます。一方でソビエト共産主義との対立を深める過渡期にも位置する年月日となっています。
社会に与えた影響
●捜索中…
メディア化
現在のところ、映画化等のメディア化はされていないようです。
3.類推データ
ココがスゴい!
多岐の視点から「ある町」の光と影が浮き彫りになっていく

短編集の形式を取りつつも、全ての話が間接的につながっており、マクレイン家が支配する縮図や、各家庭の抱える問題などが浮き彫りになっていき、読了後はまるでモルガナの住人になったような気分になります。
似ている名作
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似ている最近の作品
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