ヒトコトあらすじ
美しい王女が、父親(王)の要求に応える代わりに、残酷な見返りを求める。その狂気ぶりに、最後には父親(王)によって処刑を命じられてしまうという物語となっています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1893年 作者:オスカー・ワイルド
長さ:中編 ジャンル:怪奇・サスペンス・恋愛
キャラクター構成
サロメ・・・・本作のヒロイン。その狂気性からヘロデらに恐れられる。
ヘロデ・・・・ユダヤの四分封王。サロメの義父。
ヘロディアス・・・・ヘロデの妻。サロメの母親。
ヨカナーン・・・・預言者。宮殿の地下に閉じ込められていたが、サロメの要求によって処刑されてしまう。
ナラボート・・・・宮殿の兵士。サロメに想いを寄せている。
舞台
ヘロデの宮殿・・・劇が展開される宮殿。
詳しいプロット(展開)
●美しき王女・サロメ
王・ヘロデの王宮にて宴会が開かれているところから物語ははじまる。
王女サロメは美しいことで有名であり、衛兵隊長であるナラボートもまた、その美しさに惹かれていた。
●背徳の王
そんな宴のなか、サロメは会場をあとにします。
その理由は義父であるヘロデが言い寄って来るからです。
実はヘロデ王は、かつての王である実の兄を殺し、さらにその王妃ヘロディアス(サロメの母)を奪ったという過去がありました。そして今度は美しい義理娘であるサロメにまで手を出そうとしていたのです。
●預言者ヨカナーン
外に出たサロメは、地下室に閉じ込められていた預言者ヨカナーンの不思議な声を聞きます。ヨカナーンはかつて、ヘロデが兄を殺して王座に即位したことを批判したため閉じ込められている囚人でした。興味を抱いたサロメは、自分に想いを寄せているナラボートに彼を出してほしいと願いました。
●ナラボートの自害
根負けしたナラボートは兵士に命じてヨカナーンを連れてくる。ヨカナーンはサロメやその母ヘロディアスの不貞などを強く避難します。だがサロメは逆にヨカナーンにどんどんと魅かれていく。
そして最後にはヨカナーンに対してキスを要求するまでになった、
その様子をみたナラボートはサロメに幻滅して自害した。しかしサロメはナラボートが死んでもいっさい気に留めることはなかった。
いっぽうのヨカナーンはふたたび地下へと帰っていった。
●踊りの要求
そこへ行方をくらましたサロメを追いかけて、ヘロデとヘロディアスが登場。サロメが宴会に戻るのを拒否するなか、ヨカナーンの呪詛のような声が聞こえてくるが、ヘロデたちは盲言だと気にも留めなかった。
そしてヘロデはサロメに対して、宴のつづきとでも言うかのように「踊りを見せてくれ」と要求します。当然サロメは拒否しますが、「踊るなら欲しいものを何でもやる」というヘロデの言葉にサロメは踊ることにした。
●見返りは「ヨカナーンの首」
踊ったあとでサロメが要求してきたのはなんと「ヨカナーンの首」だった。さすがに拒否しようとするヘロデだったが、サロメに何度言い聞かせても、「ヨカナーンの首をちょうだい」という返答しかなく、さらに踊る前に自分が「何でもやる」という誓いを立てたということもあり、ヘロデは望み通りヨカナーンを処刑した。
そして銀の皿に乗せたヨカナーンの首を献上すると、サロメは「よくも私にキスをさせなかったわね」と言って、ヨカナーンの首に口づけをした。
●サロメの処刑
義理娘の狂気をみたヘロデはふるえ上がり、サロメを処刑するよう兵士に命じて、物語は幕を下ろします。
文章抜粋
●若いシリア人 今夜のサロメ姫は、また、なんという美しさだろう!
へロディアの近習 ねえ、月を見て。月がなんだか、すごく異様なんだよ。まるで墓から出てきた女みたいで。死んだ女みたい。死者たちを探しているかのような。(冒頭の一文)
●ヨカナーン 不貞の娘、汝を救うことが出来るのはただ一人。私が汝に話したお方だ。探しに行くのだ、そのお方を。彼はガリラヤの海に船を浮かべ、弟子たちに語られている。浜辺で跪いて、その御名を呼ぶのだ。汝の方に彼が近づかれたら、そう、彼は呼びかける者すべての許にいらっしゃるのだ、その足許に伏して、汝の罪の赦しを乞うのだ。
サロメ キスさせて、その口唇に。
ヨカナーン 呪われるがいい、近親相姦の母より生まれし娘よ、呪われるがいい。
サロメ キスする、お前のその口唇に、ヨカナーン。
ヨカナーン 私は汝を見たくない。汝を見ない。汝は呪われている、サロメよ、汝は呪われている。(彼は、水溜の中へと降りていく)
サロメ わたしはお前の口唇にキスするのよ、ヨカナーン、キスすることになるわ。
●ヘロデ(振り向いて、サロメを見ながら)あの女を殺せ!
(兵たちは突進して、楯の下にサロメを、へロディアの娘を、ユダヤの王女を押し拉ぐ) (最後の一文)
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2.雑多データ
ココがスゴい!
執筆中…
似ている名作
捜索中…
似ている最近の作品
●HUNTER×HUNTER アルカナニカ編
少年ジャンプの連載マンガ「HUNTER×HUNTER」。会長選挙編と同時進行で行われるゾルディック家の闘争。その中心人物となる少女アルカは、「ーちょうだい」という定型句でさまざまなグロテスクな要求をしてきます。その点において、何を言っても「ヨカナーンの首をちょうだい」としか返答しない様子がサロメとかなり告示しています。また、踊りという要求に対して、残酷な願いを返してくるという駆け引きなんかもかなり似ているかと思います。もしかすれば名劇である今作からキャラクター・ストーリーのインスピレーションを受けているのかもしれません。
>>>ヨークシンシティ編と告示している名作「緋色の研究」はこちら
メディア化
●ケン・ラッセルのサロメ(映画)
1987年に今劇をテーマにした映画化がされています。
ただ基本は戯曲であるため、日本もふくめ世界各地で定期公演されているようです。
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3.作者データ
オスカー・ワイルド
アイルランドの作家・劇作家。代表作は「ドリアン・グレイの肖像」「サロメ」「ウィンダミア卿夫人の扇」など。
- 『ラヴェンナ』(Ravenna)(1878年)詩集、III
- 『ヴェラ、実は虚無主義者たち』(Vera; or, The Nihilists)(1880年)悲劇、II
- 『詩集』(Poems)(1881年)詩集
- 『パドヴァ大公妃』(The Duchess of Padua)(1883年)悲劇、II
- 『カンタヴィルの亡霊』(The Canterville Ghost)(1887年)短編小説、I
- 『幸福な王子その他』(The Happy Prince and Other Tales)(1888年)第一童話集、III
- 『幸福な王子』/『ナイチンゲールとバラ』(The Nightingale and the Rose)/『わがままな大男』(The Selfish Giant)/『忠実な友』(The Devoted Friend)/『素敵なロケット』(The Remarkable Rocket)
- 『W. H. 氏の肖像』(The Portrait of Mr.W.H.)(1889年)、IV
- 『ドリアン・グレイの肖像』(The Picture of Dorian Gray)(1890年)長編小説、I
- 『アーサー・サビル卿の犯罪その他』(Lord Arthur Savile’s Crime and Other Stories)(1891年)中短編小説集、I
- 『アーサー・サビル卿の犯罪』(1887年)/『謎のないスフィンクス』(The Sphinx Without a Secret)(1887年)/カンタヴィルの亡霊(The Canterville Ghost(1887年)/『W・H 氏の肖像』(The Portrait of Mr. W. H.). 井村君江訳、工作舎 1989年/『模範的百万長者』(The Model Millionaire)
- 『社会主義下の人間の魂』(The Soul of Man under Socialism)(1891年)評論、IV
- 『意向集』(Intentions by Oscar Wilde)(1891年)評論集、IV
- 『芸術家としての批評家』(The Critic as Artist)/『嘘の衰退』(1889年)(The Decay of Lying)/『ペン、鉛筆と毒薬』(Pen, Pencil and Poison)(19世紀英国の画家・批評家・毒殺魔、 トーマス・グリフィス・ウェインライトの小伝。義妹を保険金目当てで殺害しておきながら、動機は彼女の足首が太かったからと、ウェインライトが囚人仲間に吹聴したと書かれている)/『仮面の真実』(The Truth of Masks)
- 『ザクロの家』(A House of Pomgranates)(1891年)第二童話集、III
- 『若い王』(The Young King)/『王女の誕生日』(The Birthday of the Infanta)/『漁師とその魂』(The Fisherman and His Soul)/『星の子』(The Star-Child)
- 『サロメ』(Salomé)(1893年)詩劇、III
- 『裁きの家』(The House of Judgement)(1893年)散文詩、III
- 『ウィンダミア卿夫人の扇』(Lady Windermere’s Fan)(1893年)喜劇、II
- 『スフィンクス』(The Sphinx)(1894年)詩集
- 『つまらぬ女』(A Woman of No Importance)(1894年)喜劇、II
- 『青年のための成句と哲学』(Phrases and Philosophies for the Use of the Young)(1894年)箴言[1]、III
- 『理想の夫』(An ideal Husband)(1895)戯曲、II
- 『真面目が肝心』(The Importance being Earnest)(1895年)喜劇、II
- 『レディング牢獄の唄』(The Ballad of Reading Gaol)(1898年)詩、III
没後
- 『獄中記』(The Profundis)(1905年)書簡、VI
- 『全集』(The First collected Edition of the Works of Oscar Wilde)(1908年 – 1922年)
- 『オスカー・ワイルド書簡集』(The Letters of Oscar Wilde)(2000年)
同じ年代の有名作品
- 「宝島」ロバート・ルイス・スティーヴンソン(イギリス1883)
- 「ピノッキオの冒険」カルロ・コッローディ(イタリア1883)
- 「ツァラトゥストラ」フリードリヒ・ニーチェ(ドイツ1883-1885)
同じ国の有名作家
- ギュスターヴ・フローベル(フランス)
- アナトール・フランス(フランス)
- ジョリス=カルル・ユイスマンス(フランス)
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