「ロンドリ姉妹」あらすじと解説・登場人物や舞台 ギ・ド・モーパッサン



ヒトコトあらすじ


 イタリア旅行で美女と出会った主人公が恋に落ちるが、最後は別れてしまう。しかし数年後、彼女の妹と旅をするなかでふたたび期待に胸躍らせるという物語となっています。


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●1.基本データ
 Lキャラクター構成
    L舞台設定
 L詳しいプロット(展開)
 L文章抜粋
 

●2.補足データ
   Lココがスゴい!
 L似ている名作
 L似ている最近の作品 
 Lメディア化


●3.作者について
  L同じ年代の有名作品
        L同じ国の有名作家



1.基本データ





初刊:1884年 :ギ・ド・モーパッサン
長さ:短編 ジャンル:ディストピア




キャラクター構成



ピエール・ジュヴネ・・・・本作の主人公・語り手。

フランチェスカ・・・・本作のヒロイン。列車で乗り合わせ、ピエールが恋に落ちる。

ポール・パヴィイ・・・・ピエールの友人。女好き。


舞台



イタリア(ジェノヴァ)・・・主人公らの旅の舞台。ヒロイン・フランチェスカと出会うきっかけとなった場所。



詳しいプロット(展開)



●ピエール・ジュヴネ、イタリアへ行く

 物語主人公であるピエール・ジュヴネはふとイタリアへ行きたいと思い立ち、女好きの友人・ポール・パヴィイを誘い、イタリア行きの列車へと乗り込んだ。

●不機嫌な美女

 しかし急な気分で飛び出してしまったため、もともと旅好きでもないピエールは旅に出てしまったことを後悔する。
 そんな憂鬱な気分で列車に揺られているなか、ひとりの美女を見かける。彼女はブレスレッドやイヤリングなどで着飾っていたが、どれも金や宝石ではなく安い素材でできているものだった。そこからピエールは彼女に庶民的な印象を受けた。
 そんな彼女はどこか不機嫌な様子だった。

 

●なおらない機嫌


 まもなく女好きのポールがぜひ接点を持ちたいとせがんできたため、ピエールはしぶしぶ彼女に話しかけることとなった。ピエールがさまざまな話題を振るも、彼女はおなじ返答ばかりで不機嫌だった。
 その後、食事時などに貧相な食糧をかじってる彼女のようすを見たピエールは、ふたたびポールに促されて、自分たちの豪華な食事をおすそ分けしてやったりしたが彼女の不機嫌な様子が直ることはありませんでした。

 

●美女との旅


 しかし目的地であるジェノヴァへ着きそうなタイミングになったとき、「お供してはいけないかしら?」と美女のほうから誘ってくる。そこでピエールは自分とポールどちらがお供したらよいのか尋ねると、美女は即決でピエールを指名した。ポールに憎まれ口をたたかれながらも、ピエールと美女の不思議な旅がはじまった。

 

●ホテルにて


 ホテルに着き、ピエールは美女と相部屋で過ごすこととなる。そのなかで美女の裸体に魅せられたり、キスを交わすなどピエールはどんどんと美女に魅かれていった。そして彼女はフランチェスカという名前であることも明らかになる。そして気が付けば三週間以上が過ぎているのだった。



●彼女との別れ


 ある日、フランチェスカがもじもじした様子で「今晩わたしが戻ってこなかったら、迎えにきてくれる?」と尋ねてきた。ピエールは快く承諾し、フランチェスカに言われた住所へたずねることを決める。しかしやってきたポールが”早く帰る”とわめき散らしたため、ピエールはなんとかポールを説得して、二日間待ってフランチェスカが戻ってこなかったらば、あきらめて帰ろうと提案して承諾してもらった。しかしフランチェスカがピエールのもとへ戻ることはなかった。

 

●一年後…


 一年が過ぎた。ピエールはふたたびイタリアへ行きたくなったため、今回はひとりで再びイタリアへの旅に出た。だがイタリアへ到着すると、その景色からフランチェスカのことが想起され、一晩じゅう悩まされることとなる。
 やむなくピエールは、かつて迎えに来てほしいと言われた住所へと向かうことにした。そこにはフランチェスカの母親とその妹・カルロッタが住んでいた。
 ピエールは母親から、フランチェスカが実はあのあと一カ月もピエールの迎えを待っていたということを知らされる。さらに出会ったときに不機嫌だったのは、愛していた男に振られたばかりだったため、本当の愛を確かめるために、ピエールらに冷たく対応していたのだとうことなども聞かされた。さらにフランチェスカは、現在有名なフランス画家としあわせに暮らしているといったことも聞かされた。



●あらたな期待


 フランチェスカの現在を聞いて落胆するピエールだったが、そこに妹・カルロッサが現れる。母親の勧めでカルロッサとともにジェノヴァ探訪へ出かけるピエール。カルロッサと過ごすうちにフランチェスカのことはすっかり頭から消えていた。
 ジェノヴァを発つ日がやってきて、カルロッサらとの別れを惜しむピエールだったが、彼女らにプレゼントを渡し、また近いうちにイタリアへ訪れようと胸をふくらませるのだった。

 





文章抜粋


●ピエール・ジュヴネが言った。「いや、イタリアのことはよく知らないんだ。二度行ったことがあるが、国境を越えたと思ったらそのつど足止めをくって、その先まで行けなかったものでね。とはいえ、その二回の経験で、この美しい国の風俗習慣はとても好ましく思えたな。イタリアには見るべきものが山ほどあるのに、まだろくすっぽ見ていないしね。名だたる町も、有名な美術館も、美術品の傑作もね。近いうちにもう一度行って、じっくり見てまわるつもりだ。ん、どういうことかって?じゃあ、くわしく話そう」(冒頭の一文)



●近いうちに、ぼくはまたイタリア旅行に出かけるつもりだ。ロンドリ夫人には娘があとふたりいるかと思うと、期待に胸がわくわくしてくるじゃないか。(最後の一文)



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2.雑多データ


ココがスゴい!


執筆中…


似ている名作




捜索中…



似ている最近の作品


●ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)

1995年のアメリカの恋愛映画。舞台こそウィーン(オーストリア)と違いますが、電車のなかで行き合ったふたりが出逢うという導入部分や、再び会おうと約束をして結局会わないといった部分など、かなり似ている部分が多い映画です。



メディア化



現在のところ目立ったメディア化はされていないようです。






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3.作者データ

 

 ギ・ド・モーパッサン

 フランスの作家。代表作は「女の一生」「脂肪の塊」など。特に多くの短編を遺しておりその数は200を超える。小説だけでなく劇作家や詩人などの顔も持っている。


長編

  • 女の一生』1883 
  • 『ベラミ』1885
  • 『モントリオル』1877
  • 『ピエールとジャン』1887-1888
  • 『死の如く強し』1889
  • 『我等の心』1890

短編集

  • 『テリエ館』1881
  • 『マドモワゼル・フィフィ』1882
  • 『山シギ物語』1883
  • 『月光』』1883
  • 『ミス・ハリエット』1884
  • ロンドリ姉妹』1884
  • 『イヴェット』1885
  • 『昼夜物語』1885
  • 『トワーヌ』1885
  • 『パラン氏』1886
  • 『ロックの娘』1886
  • 『オルラ』1887
  • 『ユッソン夫人の善行賞』1888
  • 『左手』1889
  • 『あだ花』1890
  • 『行商人』1900

戯曲

    • 『剥製の手』1875
    • 『聖水授与者』1877
    • 『壁』1880
  • 『脂肪の塊』』1880
  • 『狂人の手紙』1885

詩・詩集

  • 『水辺にて』1876
  • 『詩集』1880

旅行記

  • 『太陽の下に』1884
  • 『水の上』1888
  • 『放浪生活』1890



同じ年代の有名作品
  • 「宝島」ロバート・ルイス・スティーヴンソン(イギリス1883)
  • 「ピノッキオの冒険」カルロ・コッローディ(イタリア1883)
  • 「ツァラトゥストラ」フリードリヒ・ニーチェ(ドイツ1883-1885)

同じ国の有名作家
  • ギュスターヴ・フローベル(フランス)
  • アナトール・フランス(フランス)
  • ジョリス=カルル・ユイスマンス(フランス)


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Author: meisaku

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