ヒトコトあらすじ
ある詩人が遺した詩を、心酔する人物が注釈をつけて出版したという本となっています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1962年 作者:ウラジーミル・ナボコフ
長さ:短編 ジャンル:恋愛・ヒューマン
キャラクター構成
ジョン・シェイド・・・・詩人。
シビル・シェイド・・・・ジョン・シェイドの妻。美しい見た目をしている。
ヘイゼル・シェイド・・・・シェイド夫婦の娘。醜い見た目をして生まれる。
チャールズ・キンボート・・・・ゼンブラ国から来た自称国王の学者。シェイドの詩に心酔し、死後訳者となる。
舞台
アメリカ、アパラチア州ニュー・ワイ・・・作中にだけ登場する架空のアメリカの地域。
詳しいプロット(展開)
※アメリカ人詩人シェイドの詩が前半に載せられ、後半にキンボート氏による注釈が羅列するという構成となっています。
●妄執に憑かれた男・キンボート博士
キンボートは小国ゼンブラからの亡命者であり、かつて自分はゼンブラの王であり、命を付け狙われていると思い込んでいる人物。そんなキンボードは亡命後はアメリカの教授として生計を立てていた。だが彼は妄執に囚われおり、いつか祖国の殺し屋・グレイダスに襲いにくることに怯えていた。
●詩人・シェイドとの出会い
ある時、キンボートは大学で、著名な詩人ジョン・シェイドと知り合う。キンボートは長らく彼のファンであり、接近のチャンスと見る。車での送迎や誕生日プレゼントを贈るなどして尽くす。そしてキンボートは、シェイドが新しい詩「青白い炎」を書こうとしていることを知ります。
●シェイドの死
キンボートは新作「青白い炎」にぜひ自分のゼンブラ王としてのエピソードを書き加えてほしいとシェイドにお願いする。しかしシェイドはキンボートには無関心であり、詩が未完成のまま死んでしまいます。
●青白い炎の内容
「青白い炎」は作者シェイドの自伝的な物語詩であり、その内容が語られていく。以下内容↓
ジョン・シェイドは幼くして両親を亡くし、変わった叔母に育てられる。シェイドは頭が良く、五感も優れていたが病弱な肥満児だった。
そんなジョンが高校になると、そこで後に妻となる美しきシビルに出会う。
彼女との間に一人娘ヘイゼルが誕生するも、美しい妻ではなく醜いシェイドに似ていたため、娘は気難しい人格に育った。
年頃になっても男性とも交際しないヘイゼルを気遣い、見合いなども取り行うが顔を合わせた見合い相手が逃げ出したことにショックを受けた
ヘイゼルはその帰り道に湖に身を投げてしまう。自殺なのか、ただ単に凍った湖を渡って近道しただけだなどとさまざまな憶測が立つが、結局真相は明らかにされない。
シェイド夫妻は娘の死を哀しむが、やがて時間の経過とともに日常に戻りはじめ、シェイドは詩人として成功する。
ある時、シェイドは心臓発作をして生死を彷徨う。そして一命をとりとめたシェイドは死の際でインスピレーションを受けて「青白い炎」を書きはじめる。
しかし詩本編は庭師が訪れるというところで終わってしまう。作者が完成を待たずして死んでしまったからだ。
●キンボートの注釈
詩のあとの内容は、キンボートの注釈によって語られる。以下内容
ある日キンボートは庭に出ていたシェイドに声を掛け、一杯やろうと自宅に招く。キンボートはシェイドに完成間近の詩を見せてくれるよう懇願したりするが、そんななか、キンボートの借家に忍び込んでいた殺し屋グレイダスにシェイドは誤って殺されてしまう。
シェイドの死後、キンボートは手に入れたシェイドの詩を読み込むが、自分が念押ししていたゼンブラ王国についての記載がなかったため落胆。しかし自分で注釈を入れてこの詩を出版すればいいのだと思いつくと、シェイドの妻・シビルにその許可を得て注釈を開始する。
そしてキンボートは詩の内容をあたかも自分の人生を描くかのように改造をほどこしていくのだった。
文章抜粋
●四つの詩篇に分かたれ、九百九十九行より成る、英雄対韻句の詩「青白い炎」は、その生涯の最後の二十日間に、アメリカ合衆国アパラチア州ニュー・ワイの自宅で、ジョン・フランシス・シェイドによって書かれたものである(冒頭の一文)
●たぶん、近所の人のところで働く庭師ーーが通り過ぎる、空の手押し車を小道で押しながら。(最後の一文)
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2.雑多データ
ココがスゴい!
執筆中…
似ている名作
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似ている最近の作品
●捜索中…
メディア化
●
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3.作者データ
ウラジーミル・ナボコフ
ロシア生まれ・アメリカやヨーロッパで活躍した小説家。『ロリータ』などが有名。
長編小説
- 『マーシェンカ』“Машенька (Mary)” (1926年)
- 『キング、クイーン、ジャック』“Король, дама, валет (King, Queen, Knave)” (1928年)
- 『ディフェンス』“Защита Лужина (The Defense)” (1930年)
- 『目』“Соглядатай (The Eye)” (1930年)
- 『青春』“Подвиг (Glory)” (1932年)
- 『カメラ・オブスクーラ』“Камера Обскура” (1932年) – ナボコフ自身の英訳題は『闇の中の笑い』“Laughter in the Dark”
- 『絶望』“Отчаяние (Despair)” (1936年)
- 『断頭台への招待』“Приглашение на казнь (Invitation to a Beheading)” (1938年)
- 『賜物』“Дар (The Gift)” (1938年)
- 『魅惑者』“Волшебник (The Enchanter)” (1939年)
- 『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』“The Real Life of Sebastian Knight” (1941年)
- 『ベンドシニスター』“Bend Sinister” (1947年)
- 『ロリータ』“Lolita” (1955年)
- 『プニン』“Pnin” (1957年)
- 『青白い炎』“Pale Fire” (1962年)
- 『アーダ』“Ada or Ardor” (1969年)
- 『透明な対象』“Transparent Things” (1972年)
- 『道化師をごらん!』“Look at the Harlequins” (1974年)
- 『ローラ』“The Original of Laura” (未完、1977年)
短編集
- 『チョールブの帰還』“Возврашение Чорба” (1929年)
- 『九つの物語』“Nine Stories” (1947年)
- 『フィアルタの春』“Весна в Фиальте и Другие рассказы” (1956年)
- 『ナボコフの一ダース』“Nabokov’s Dozen” (1958年)
- 『四重奏』“Nabokov’s Quartet” (1966年)
- 『ロシア美人』“A Russian Beauty and Other Stories” (1973年)
- 『独裁者殺し』“Tyrants Destroyed and Other Stories” (1975年)
- 『ロシアに届かなかった手紙』“Details of a Sunset and Other Stories” (1976年)
- 『ナボコフ短篇全集』“The Stories of Vladimir Nabokov” (1995年)
批評その他
- 『ニコライ・ゴーゴリ』“Nikolai Gogol” (1944年)
- 『記憶よ、語れ』“Conclusive Evidence: A Memoir” (1951年)
- 『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集』“The Nabokov–Wilson Letters” (1979年)
- 『ヨーロッパ文学講義』“Lectures on Literature” (1980年)
- 『ロシア文学講義』“Lectures on Russian Literature” (1981年)
- 『ナボコフのドン・キホーテ講義』“Lectures on Don Quixote” (1983年)
- 『ナボコフ書簡集』“Selected Letters” (1989年)
- 『ナボコフの塊 エッセイ集 1921-1975』
戯曲
- 『ワルツの発明』“The Waltz Invention” (1938年)
詩集
- 『詩集』“Стихи”(私家版、1916年)
- 『二つの道』“Альманах: Два пути” (1918年)
- 『房』“Гроздь” (1922年)
- 『天上界の道』“Возвращение Чорба” (1923年)
- 『詩集 1929-1951』“Стихотворения 1929-1951” (1952年)
- 『詩集』“Poems” (1959年)
- 『詩とチェスプロブレム』“Poems and Problems” (1971年)
同じ年代の有名作品
- 「サラムボオ」ギュスターヴ・フローベール(フランス1862)
- 「ノー・ネーム」ウィルキー・コリンズ(イギリス1862)
- 「レ・ミゼラブル」ヴィクトル・ユゴー(フランス1862)
同じ国の有名作家
- イワン・ツルゲーネフ(ロシア)
- レフ・トルストイ(ロシア)
- イワン・ゴンチャロフ(ロシア)
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