ヒトコトあらすじ
「不倫に燃えた、ある男女の悲劇」と、「ある男の純愛物語」が交互に描かれてゆく作品となっています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1875-1877年 作者:レフ・トルストイ
長さ:長編 ジャンル:恋愛・悲劇
キャラクター構成
アンナ・カレーニナ・・・・主人公。カレーニンの妻、セリョージャの母、ヴロンスキーと駆け落ちする。
ヴロンスキー・・・・伯爵。アンナの不倫相手。
アレクセイ・カレーニン・・・・アンナの夫。
セリョージャ・・・・アンナとカレーニンの息子。
ステパン・オブロンスキー・・・・アンナの兄。ドリーの夫
ドリー・・・・ステパンの妻。キティの姉。
コンスタンチン・リョーヴィン・・・・もうひとりの主人公。地主貴族。キティに恋焦がれている。
キティ・・・・ドリーの妹。後のリョーヴィンの妻。
舞台
モスクワ・・・現ロシアの首都。ステパンの家がある。アンナとヴロンスキーが出会う地。
ペテルブルグ・・・ロシアにある港湾都市。アンナとカレーニンが住んでいて、ヴロンスキーが追ってくる地。
詳しいプロット(展開)
●二人の主人公ーそれぞれの夜ー
アンナ・カレーニナは、夫カレーニンと息子セリョージャを家族に持つ夫人である。 彼女は、兄であるステパン・オブロンスキーの浮気によって崩壊しつつある彼の家庭を救うために、単身モスクワへと向かった。ステパンの妻であるドリーを説得しに向かうためである。
いっぽう、独身地主であるコンスタンチン・リョーヴィンもまた、公爵令嬢キティに求婚するため、モスクワに来ていた。
キティはドリーの妹であり、リョーヴィンは彼女を深く愛していた。しかしいざキティに告白すると断られてしまう。彼女はヴロンスキー伯爵という別の人物に惚れていたからである。キティの父親は地主で財産のあるリョーヴィンを支持していたが、彼女はそれも意に返さず、ヴロンスキーに首ったけであった。実際、父である公爵が懸念する通り、ヴロンスキーにキティと結婚する意思は無く、彼女はただの遊び相手に過ぎなかった。だがヴロンスキーの本懐にも気づくことなく、キティはヴロンスキーと楽しい夜会を過ごします。いっぽう振られてしまったリョーヴィンは深く傷つき、打ちひしがれる夜を過ごすこととなる。
●ヴロンスキーと列車事故
翌朝、アンナを乗せた列車がモスクワに到着。そこで母を迎えに来たヴロンスキーはアンナにひとめぼれしてしまう。だがまもなく、飛び込み自殺が起こったため、アンナはそこで、どこか嫌な予感を感じる。
●恋に落ちるアンナとヴロンスキー
ステパンの家へ向かい、妻であるドリーをアンナは慰める。問題が解決するとアンナはキティらとともに舞踏会へ参加した。そこでヴロンスキーと再会。ふたりは完全に恋に落ち、それはキティや周囲にも感づかれるほどあからさまな様子だったのである。 アンナは罪の意識を感じ、逃げるようにモスクワを後にする。しかしヴロンスキーが追いかけてくる。ヴロンスキーに告白され、アンナは葛藤と喜びの入り混じる複雑な心境に立たされることになった。
●駆け落ちを迫られる
ヴロンスキーは、アンナの住むペテルブルグに移住した。ふたりの関係はいっそう燃え上がり、密会を続けるうちアンナが妊娠する事態となる。そこでアンナは夫に打ち明けるか、駆け落ちするかを迫られることになる。
●競馬場での事故
ある時、競馬場でヴロンスキーが落馬した時、その場にいたアンナは激しく取り乱す。その様子に周囲の人々は騒然とした。そこには夫カレーニンもおり、アンナはついにヴロンスキーとの関係を打ち明ける。
しかし彼はアンナと離婚することはせず、彼女にヴロンスキーと会わない約束をさせて、自分の言いつけを守らせることで事態を収拾させた。たがアンナはそんなカレーニンの隙をついて、ヴロンスキーとの密会を続けるのだった。
●心揺れるリョーヴィン
いっぽうのリョーヴィンは、キティの事を忘れようとするかのように、農業へと打ち込んでいた。 彼は自分のもとで働いている小作農たちと共に汗を流しながら、彼らが抱えている問題を解決するために、新しい経営方法などを真摯に模索する。
キティもまた、ヴロンスキーとの恋にやぶれ、病に伏していた。まもなくリョーヴィンに会う機会が訪れる。リョーヴィンは、そこで彼女が自分のプロポーズを断ったことを後悔している事を知る。一度傷つけられた彼の心はまだ癒えてはいなかったが、その後さまざまな事を経るうち、徐々に彼女へのかつて情熱が燃え上がり始めるのだった。
そのなかでも農業に対する取り組みも疎かにせず、彼はどんどんとさまざまな計画を打ち立てていく。
●苦悶するカレーニン
いっぽうのカレーニン夫妻の不自然な結婚生活は続いていた。だがある時、玄関でカレーニンとヴロンスキーが鉢合わせたのをきっかけに、腹を立てたカレーニンがついに離婚を要求。
息子セリョージャも自分が引き取ると通告する。しかし出世を重んじていたカレーニンはいざ離婚となると、世間の風当たりが強くなるだろうという事で、なかなか決断を渋るのだった。
●リョーヴィンとキティの結婚
リョーヴィンはステパンの家を訪ね、キティに会う。そこでお互いの気持ちを確かめ合ったふたりは、ようやく結婚を決めた。
●家族との別れ
まもなくアンナはヴロンスキーとの間の娘を出産するが、すぐに病に伏せてしまう。弱った彼女を見たヴロンスキーは自責の念に駆られ、自殺を図る。しかし失敗に終わり、怪我を負う。
いっぽうのカレーニンも瀕死の妻を見捨てることはできないと離婚を後回しにすることになった。まもなくアンナが回復すると、ステパンの助言もあり、二人は離婚はせずに別居を始める。
アンナとヴロンスキーは娘を連れて新しい生活をはじめ、カレーニンとセリョージャも、アンナのいない二人暮らしを始めた。
●順調な二つの恋
アンナとヴロンスキーはヨーロッパを回り、しあわせな日々を送ったあとでロシアへと戻る。
リョーヴィンとキティの新婚生活も幸せに満ちていたが、ある日病を患ったリョーヴィンの兄が帰ってくる。そこでキティは兄を最期まで真摯に看病した。その様子を見て、リョーヴィンは改めてキティに心奪われる。
●環境変化
いっぽう妻と別れたカレーニンは脱け殻のような状態になってしまい、仕事での昇進も止まってしまう。しかし何とか立ち上がると遺された息子であるセリョージャの勉強を見てやるなどして過ごすようになった。
いっぽうのアンナは久しぶりにセリョージャに会いにいくが、その瞬間、何かが終わってしまったように感じた。
そしてアンナはヴロンスキーのみが自分が唯一すがれるものと考えるようになったが、ヴロンスキーとの間に次第に温度差が生まれていく。やがて二人はヴロンスキーの土地があるペテルブルグへと移り住む。
●良妻・キティ
リョーヴィン夫妻の結婚生活は円満だったが、リョーヴィンは少々嫉妬深かった。そのため若い男たちがやってきてキティと関わったりする事が耐えられなかった。また、キティとの共同生活に浮かれ、仕事を怠ったりする自分が許せないと感じでもいた。だがキティはそんな繊細な夫の事を理解して、しっかり支え続ける。
●幸福を失ったふたり
ドリーがアンナとヴロンスキーの元を訪ねる。彼女はふたりを見るうちに状況を把握し始める。
ふたりは一見幸福そうに見えたが、ヴロンスキーはアンナの存在ゆえに外であまり自由に動けず、アンナもまた、世間の目を避けるようにして引きこもりがちになっていた。
ドリーにはふたりが決して幸福ではないように映った。
やがてヴロンスキーが選挙で家を開けるようになると、アンナはヴロンスキーへの不信感をさらに強めていく。
●感じやすいリョーヴィン
リョーヴィンの家では、キティが妊娠する。ふたりはモスクワへと向かった。そのあいだリョーヴィンはモスクワの知人に会ったり、ヴロンスキー、そしてアンナにも会うことにもなった。 まもなく、キティが男の子を出産するが、リョーヴィンはこれからこの小さな赤子が人生の苦難にさらされることを考えると、なかなか喜ぶことはできなかった。
●アンナの自殺
アンナとヴロンスキーのいびつな生活は続いていたが、ヴロンスキーが出掛けていくことにアンナは耐えきれずモルヒネ中毒となり、完全にノイローゼとなっていた。 ある日、ヴロンスキーのあとを追って駅へと出かけていく。彼女は朦朧とした意識のなか、線路の端に立つ。そこで彼女はヴロンスキーに会った日に起こった、飛び込み事故を想起した。そして自分という苦しみから脱して、ヴロンスキーを罰するという意思を胸に、彼女は列車に轢かれて死んだ。
●死地へおもむくヴロンスキー
アンナを失ったヴロンスキーは、陸軍へと入隊。駆り立てられるように危険な前線へ赴いていく。彼女を失った今、ヴロンスキーに生きる理由は無かったのだ。そうして彼は死地を探して彷徨い続けるのだった。
●幸せなリョーヴィン夫妻
いっぽうのリョーヴィンとキティは多くの小作人を抱えながらも幸せに暮らしていた。特にキティは、繊細な夫を理解するすばらしい妻、そして母となった。そんなキティに影響を受け、リョーヴィンもまた、考えすぎてしまう自らの悪癖を克服しつつあり、夫婦はこれからも幸福に暮らすであろうという雰囲気で物語は終わる。
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文章抜粋
●幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。
オブロンスキー家は大混乱のさなかにあった。夫が以前家庭教師に雇っていたフランス女と関係を持っていたことに気づいた妻が、もう一つ屋根の下には暮らせないと、面に向かって宣言したのだ。(冒頭の一文)
●「だが今やおれの生が、おれの生活の全体が、わが身がどうなろうと関係なく、どの一分間をとっても、単にかつてのように無意味でないばかりでなく、疑いようのない善の意味を持っている。しかもその善の意味を自分の生活に付与する力が、おれにはあるのだ!」(最後の一文)
2.雑多データ
ココがスゴい!
執筆中…
似ている名作
執筆中…
似ている最近の作品
執筆中…
メディア化
●アンナ・カレーニナ(1948年映画)
●アンナ・カレーニナ(2012年映画)
●アンナ・カレーニナ(2017年映画)
何度もメディア化されており、最新(2021.12時点)は2017年制作の映画となっています。
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3.作者データ
レフ・トルストイ
ロシアの作家・思想家。代表作に「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「復活」などがある。
- 幼年時代 Детство (1852年)
- 少年時代 Отрочество (1854年)
- 青春 Юность (1856年)
- セヴァストポリ物語 Севастопольские рассказы (1855-56年)
- コサック Казаки (1852-63年)
- 幸せな家庭 Семейное счастье (1859年)
- 戦争と平和 Война и мир(1864-69年)
- コーカサスの虜 Кавказский пленник(1872年)
- アンナ・カレーニナ Анна Каренина(1873-77年)
- 教義神学研究 Исследование догматического богословия (1879-80年)
- 懺悔 Исповедь (1878-82年)
- イワンのばか Сказка об Иване-дураке и его двух братьях (1885年)
- イワン・イリイチの死 Смерть Ивана Ильича (1886年)
- 闇の力 Власть тьмы (1886年)
- 民話集
- 小さい悪魔がパンきれのつぐないをした話
- 人にはどれほどの土地がいるか
- 鶏の卵ほどの穀物
- 悔い改むる罪人
- クロイソスと運命
- 光あるうち光の中を歩め Ходите в свете покА есть свет (1887年)
- 人生論 О жизни (1889年)
- クロイツェル・ソナタ Крейцерова соната(1889年)
- パアテル・セルギウス Отец Сергий(1890年)
- 神の国は汝らのうちにあり Царство божие внутри вас (1891-93年)
- 主人と下男 Хозяин и работник (1895年)
- 芸術とは何か Что такое искусство? (1897-98年)
- 復活 Воскресение (1889-99年)
- 生ける屍 Живой труп(1900年)
- ハジ・ムラート Хаджи-Мурат (1896-1904年)
- にせ利札 Фальшивый купон (1902-1904年)
- 汝、悔い改めよ Bethink Yourselves (1904年)
- インドへの手紙(1908年)
- 文読む月日Круг чтения (1903-1910年)
同じ年代の有名作品
- 「アマーロ神父の罪」エッサ・デ・ケイロス(ポルトガル1875)
- 「ダニエル・デロンダ」ジョージ・エリオット(イギリス1876)
- 「トム・ソーヤの冒険」マーク・トウェイン(アメリカ1876)
同じ国の有名作家
- ニコライ・ゴーゴリ(ロシア)
- ミハイル・レールモントフ(ロシア)
- フョードル・ドストエフスキー(ロシア)
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