「カルメン」あらすじと解説・登場人物や舞台 プロスペール・メリメ



ヒトコトあらすじ


 あるひとりの男が美女に惚れ、振り回されながら身を貶していく。そして最後にはその彼女を殺して自首するという物語となっています。


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●1.基本データ
 Lキャラクター構成
    L舞台設定
 L詳しいプロット(展開)
 L文章抜粋
 

●2.補足データ
   Lココがスゴい!
 L似ている名作
 L似ている最近の作品 
 Lメディア化


●3.作者について
  L同じ年代の有名作品
        L同じ国の有名作家



1.基本データ





初刊:1845年 :プロスペール・メリメ
長さ:中編 ジャンル:恋愛・悲劇・悪漢


カルメンに恋をした囚人・ホセの身の上話を、語り手である私(考古学者)が聞くという形式となっています。


キャラクター構成



ドン・ホセ(ホセ・ナヴァロ)・・・・美女カルメンに魅かれ、人生を転落させていく人物。元兵士。

カルメン・・・・本作のヒロイン。

ガルシア・・・・カルメンの夫。粗暴な性格。

ルーカス・・・・闘牛士。

私(考古学者)・・・・語り手。死刑囚ドン・ホセの元を訪れて、身の上話を聞く。



舞台


ナヴァーフ・・・ホセ・ナヴァロの出身地。

セビーリャの駐屯地・・・ホセ・ナヴァロがカルメンと出会う地。



詳しいプロット(展開)



●ある死刑囚の話

 考古学者の私(わたし)が、獄中につながれた死刑囚ホセ・ナヴァロに面会。その身の上話を聞くというところから物語はスタートする。

●誉れ高き騎兵

 ナヴァロはバスク人の有名な一門に生まれ、騎兵として生計を立てていた人物だった。彼は入隊するとどんどんと昇格していき、出世の道を歩んでいたが、セビーリャの駐屯地にて、美女カルメンと出会うのであった。

 

●逃亡に力を貸す


 彼女に惹かれてしまったホセ・ナヴァロだったが、カルメンが同僚を切りつけるという事件を起こし、監獄へ連行する役目を担う。しかしその際にカルメンの口車に乗って、彼女を逃がしてしまう。

 

●カルメンとの再会


 カルメンの一件によって降格処分を受けたホセ・ナヴァロ。まもなく大佐の家の見張り役として立たされることとなる。しかしそこで再びカルメンに誘われ、彼女とともに酒を飲みひとときを過ごす。
 それから時間がたったある日、見張りをしていたホセ・ナヴァロのもとに、カルメンが仲間の密輸業者たちを引き連れてやってくる。

 

●振り回される男


 彼女は仲間たちを通らせてほしいと頼み込む。はじめは断るホセ・ナヴァロだったが、また会うという見返りを提示して、カルメンたちを通すことにした。
 その後約束通り、ふたたび会う二人だったがカルメンは不機嫌。やがて言い争いとなるがカルメンから仲直りを申し出してきてひとまず円満におわる。そしてまた会おうと約束するがカルメンが現れることはなかった。


●殺人を犯す


 カルメンに振り回されていると分かっていながら、カルメンが再び訪ねてきてくれると待ち焦がれるホセ・ナヴァロ。
 そして再びカルメンが現れるが、その傍らには彼女の愛人である中尉がいた。ホセはその中尉と口論となり結果、彼を剣で殺害してしまった。

 

●盗賊の仲間入り


 カルメンは中尉を殺してしまったホセに逃げろと促し、共に逃亡する。翌日カルメンは、もはや殺人を犯してしまったホセ・ナヴァロはカタギには戻れないと説き伏せたうえで、自分が所属する密輸業者へ入ることをホセ・アヴァロを進める。ホセ・ナヴァロはカルメンと一緒にいられるのならという動機から、彼女の誘いに応じて盗賊として生きていくことを決心した。



●カルメンの元夫


 盗賊として活気に満ちた生活を送るホセ・ナヴァロであったが、
監獄から脱獄した男・ガルシアが登場する。なんと彼は カルメンの夫であった。ホセ・ナヴァロは彼に対して嫉妬心を募らせていく。
 やがてホセはガルシアと決闘を行って彼を殺害する。カルメンのためにどこまでも悪行を重ねる傾向を仲間たちに批判されるホセ・ナヴァロであったが、カルメンを自分のものにしたことでホセ・ナヴァロは満足するのだった。


●看病とアメリカ


 時は過ぎ、ホセ・ナヴァロは頭数をそろえて密輸団を再結成させていく。しかし騎兵隊の奇襲によって仲間を失い、ホセ・ナヴァロも重傷を負ってしまう。カルメンはホセ・ナヴァロに対して親身に看病する。そんな様子を見たホセ・ナヴァロは荒れた生活を見直し始め、カルメンに対してアメリカへ行って二人で一からやり直そうと持ちかける。
 だがカルメンはそれを一蹴し、結局ホセ・ナヴァロはカルメンによってうまく丸め込まれるのだった。




●闘牛士・ルーカス


 ホセ・ナヴァロの看病と時を同じくして、カルメンは闘牛士・ルーカスと出会っていた。カルメンはルーカスを仲間に入れようとホセ・ナヴァロに持ちかけるものの、嫉妬からそれを拒絶する。
 するとその態度に腹を立てたカルメンはルーカスのもとへと行ってしまう。彼女の後を追うホセ・ナヴァロ。まもなく容疑上にて彼女を見つけるが黙って様子をうかがうにとどめる。するとその闘牛ショーにて、ルーカスが牛の下敷きとなり負傷する。その機を見てホセ・ナヴァロはカルメンを連れ出した。そしてふたたび彼女に愛の告白をするが、カルメンはそれを拒絶した。それを受けたホセ・ナヴァロは、自分のものにならないカルメンはもはや殺すしか無いと考え始めていた。




●カルメンを殺害


 まもなく修道者のもとをおとずれるホセ・ナヴァロ。いずれ殺すであろうカルメンへ捧げるためのミサの準備を頼み込む。
 そしてカルメンのもとへ戻る。ホセはカルメンを谷あいまで連れて行く。そしてホセは最後にもう一度だけカルメンに愛の告白をする。するとカルメンは「もう愛していない、一緒に生きていくのはもういや、二人の関係はもう終わった」などと並び立てる。そしていままで自分がホセを振り回してきたのでその報いに殺されるのは当然だとカルメンは宣言してみせた。それを聞いて激昂したホセはカルメンを刺殺した。そしてホセは近くの屯営所へ自首をした。
 いっぽうの修道者はカルメンへの鎮魂のミサをあげているのだった。

 





文章抜粋


●私は昔から地理学者たちのいうことは、あまり信用がおけぬと思っていた。彼らによればムンダの古戦場は、バストゥリ=ポエニ地方、今日のモンダに近く、マルベーリャの北方二里ばかりのところにあるという。(冒頭の一文)



●ところで『カルメン』の読者諸氏に渡しのロマニー語研究がまんざらでもないと吹聴するのも、いいかげんにすべきだろう。ちょうどおあつらえむきの格言が胸にうかんだので、これをもって筆を擱く。En retudi panda nasti abela macha.閉じたる口に蝿入らず。(最後の一文)



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2.雑多データ


ココがスゴい!


執筆中…


似ている名作




捜索中…



似ている最近の作品


●捜索中…


メディア化



現在のところ目立ったメディア化はされていないようです。






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3.作者データ

 プロスペール・メリメ

 フランスの作家。「カルメン」などが有名。


  • 『タマンゴ』
  • 『堡塁奪取』
  • 『イールのヴィーナス』
  • 『煉獄の魂』
  • 『シャルル11世の幻想』
  • 『トレドの真珠』
  • 『バックギャモンの勝負』
  • 『エトルリアの壺』
  • 『二重の誤解』
  • 『アルセーヌ・ギヨ』
  • 『マテオ・ファルコーネ』
  • 『コロンバ』(1830年  1840年) コルシカ島が舞台
  • 『カルメン』(1847年)- 日本語訳書は多数、リンク先参照
    どれもが波乱と興味深さと独創に満ちたこれらの物語は、メリメが決定的に獲得していた控え目で洗練された文体によって特に洗練された読者層に喜ばれた。
単行本として刊行された『旅行記』や『考古学的視察の報告』の他にも歴史関係では以下の著作があり、一部が訳・出版された。
  • 『ミシェル・セルバンテスの生涯と作品紹介』(1828年)
  • 『階級戦争試論』(1841年)
  • 『カスティーリャ王ドン・ペドロ一世伝』(1843年)
  • 『偽のドミトリー ロシア史の逸話』(1852年)
  • 『歴史・文学論集』(1855年)の一冊に12のさまざまな習作と、『紹介文』『序文』『序説』が収められている。その中でも特に
    • 『二つの遺産』とそれに続く『総監』『探検家の登場』(1853年)
    • 『マリノ・ブレトの短篇と詩篇・序説』(1855年)など。



同じ年代の有名作品
  • 「さまよえるユダヤ人」ウジェーヌ・シュー(フランス1844-1845)
  • 「二十年後」デュマ・ペール(フランス1845)
  • 「貧しき人々」フョードル・ドストエフスキー(ロシア1846)

同じ国の有名作家
  • デュマ・ペール(フランス)
  • オノレ・ド・バルザック(フランス)
  • アレクサンドル・デュマ(フランス)


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Author: meisaku

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