ヒトコトあらすじ
ある四姉妹の人生を描き、それぞれの恋模様や夢、挫折といった人生の酸いも甘いもを詰め込んだ姉妹群像劇となっています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1868-1886年 作者:ルイーザ・メイ・オルコット
長さ:長編 ジャンル:恋愛・家庭
※続・若草物語までのあらすじを解説しています。
キャラクター構成
ジョー(ジョセフィン)・・・・マーチ家の次女。小説家を目指す。女流作家の著者を投影したキャラとなっている。
マーガレット(メグ)・・・・マーチ家の長女。
エリザベス(ベス)・・・・マーチ家の三女。
エイミー・・・・マーチ家の四女。
マーチ夫人・・・・四姉妹の賢母。
マーチ氏・・・・四姉妹の父親。
マーチ老伯母・・・・四姉妹たちの叔母。お金持ち。
セオドア・ローレンス(ローリー)・・・・別称「テディ」。マーチ家の隣に住む青年。四姉妹と交流を持つ。
フリードリッヒ・ベア教授・・・・ドイツ人家庭教師。
ジョン・ブルック・・・・家庭教師。メグの夫となる。
舞台
ニューイングランドの村・・・四姉妹の実家がある地。
プラムフィールドの家・・・マーチ伯母が住んでいた屋敷。のちにジョーによって学校となる。
詳しいプロット(展開)
●マーチ家の四姉妹
マーチ一家は6人家族であり、四姉妹とその父母で構成されている。父は南北戦争に牧師として従軍しているため、現在は5人ぐらしであり、家は四姉妹の母・マーチ夫人が大黒柱としての責務を果たしている状態である。
長女メグは家庭教師をしており、近所の子どもたちに勉強を教えている。
次女ジョーはひょろりと背が高く、本が好き。物語を考えるのも好きであり、姉妹で遊ぶための劇なども作るようなこだわり屋。
三女ベスはおとなしく、他の三姉妹からは天使と呼ばれている優しい性格でピアノが得意である。
四女エイミーは絵が書くのが好きで、有名な芸術家を目指している。
そんな個性豊かな四姉妹を中心に物語は進行していきます。
●クリスマスとローレンス氏
クリスマスの朝、姉妹たちは貧しいフンメル家に朝食を分けてあげるというプレゼントをします。すると、それを見ていた隣のお金持ちローレンス氏が、その慈善へのごほうびとして花束やお菓子などを四姉妹たちにプレゼントします。
●ローレンス家の交流
メグとジョーの二人は大晦日のダンスパーティに向かいます。そこでジョーは、ローレンス家の孫・ローリーと知り合う。ジョーはローリーに対して好印象を抱きます。
それから時間が経ち、マーチ家とローレンス家は仲を深めていきます。ローリーは姉妹たちと仲良くなり、ローレンス氏もまた、ベスのピアノの才覚に魅かれ、孫娘のように可愛がるようになります。
●ジョーとエイミーの喧嘩
ある時、幼い自分たちを置き去りにして、出かけてばかりいるジョーに対して、エイミーは恨みを抱きます。そこでエイミーはジョーが書き溜めていた物語のノートを燃やしてしまいます。帰ってきたジョーはその事実を知り、決して許さないとエイミーに断固とした態度を取るように。
そんなある日、ジョーとローリーがスケートに行くこと知ったエイミーが、氷上を走って二人を追いかけます。ジョーはエイミーが追いかけてきていることに気づいていましたが、あえて無視を決め込んで満足感に浸っていた。しかしまもなくエイミーの足元の氷が割れ、川に落ちてしまう。ローリーとともにあわてて救出に向かうジョー。自分の行いを反省したジョーは、これからはもっと寛容でいようと心に決めるのだった。
●キャンプとブルック氏
夏になり、姉妹たちはローリーに誘われてキャンプへ向かう。そこでメグは後に夫となるジョン・ブルックと知り合います。
●ジョーの小説
秋になりジョーは書き上げた物語をだれにも秘密で新聞社に郵送する。その帰りローリーに会い、原稿を送ったという自分の秘密を暴露する。するとローリーはそのお礼にブルックとメグの仲が深まっているということを教える。するとジョーは大切な長女が結婚していなくなってしまうことに対して不安を覚える。しかしその後、新聞にジョーの作品が掲載されることとなり、ジョーもジョーで自分の幸せに対して向き合いはじめる。
●ジョー、髪を売る
冬も近づいた頃合い。従軍していた父親が重態という電報が来る。マーチ夫人はすぐに夫のもとへと向かおうとするが、その際にジョーは自慢であった髪を売って、母親に旅費として渡した。
夜になってみんなが寝静まるとジョーのすすり泣き声が聞こえてくる。メグが父親が心配で泣いているのかと訪ねると、ジョーは自分の髪を失ったことが悲しいと打ち明けるのだった。
●ベスの病気、メグの婚約
母親が家をあとにしている間、ベスが猩紅熱にかかってしまう。姉妹を亡くしてしまうのではないかと他の姉妹らは心配しますが、なんとかベスは病気を克服します。
そしてクリスマス。ブルックに支えられながら父親であるマーチ氏が家へと戻ってきます。
そしてその流れでブルックとメグは婚約します。家族は祝福しますが、ジョーだけは姉が家から居なくなることが嫌で祝福できません。そんなジョーにローリーは寄り添ってなぐさめる。
●続・若草物語
3年の月日が流れる。
メグは無事に結婚式を挙げてブルックの妻となっていた。
ジョーは小説を投稿し続けており、順調に金を稼ぎ始めていた。
ベスは過去の病気のせいもあり、体調のすぐれない状態である。
エイミーはお金持ちのマーチ伯母に気に入られ、ヨーロッパ旅行のお供として美術家修行へ旅立つ。
一方のお隣のローリーも大学を卒業しようとしていた。
●ジョー、ニューヨークへ
ジョーは自立を目指して、ニューヨークへと旅立つ。またその家出にはローリーからの求婚から逃れるという意味合いもあった。ジョーは自分の人生において結婚というものは必要ないーーそんな思想の持ち主だったのである。
ジョーはニューヨークで家庭教師をやりながら、小説の執筆に集中します。そんな生活の中で風変わりなドイツ人教師・ベア教授と出会い、仲を深めていきます。しかしある時、ベア教授に自分の小説を見せると遠回しに批判されたため、怒ったジョーは彼と仲違いする。まもなくそれが原因となり執筆への意欲がなくなり、実家へともどることとなります。
●カルメンを殺害
ジョーが実家にもどると、ずっと待たされていたローリーが彼女に迫ります。しかし芯の強いジョーは彼はあくまで友人であり、そういった関係にはどうしてもなれないときっぱりと断ります。
傷心するローリーであったが、祖父ローレンス氏の計らいでヨーロッパへと旅立つ。そこでエイミーと会ったことで彼女と親密になっていきます。そこにはかつて、「エイミーとならうまくいく」というジョーに予言されていた過去の出来事もあって、ふたりの愛は成就します。
●ベスの死
しばし実家で過ごしてジョーでしたが、ベスの容態が悪化していきます。ベス自身も自分の寿命がもうわずかしかないということをなんとなく悟っており、ベスは死を受け入れるよう、やすらかに息をひきとります。
小説だけでなく、優しい妹まで失ったジョーは途方にくれるが、ベスがしていた家事をこなしたり、メグの子どもたちと遊んでいるうちに少しずつ悲しみを克服していく。
そしてジョーはそんな悲しみを糧にしてふたたび小説へ没頭する。そしてジョーの作品は世間で大きな評価を得ることとなります。
●ローリーとエイミー
ヨーロッパ旅行のなかで婚約したローリーとエイミーが帰郷する。家族はふたりの門出を祝福しますが、内面でジョーはどこか疎外感を感じているのだった。結婚は自分にとって必要のないものだと思っていたにもかかわらず、どうしようもない寂しさに押しつぶされそうになっていたのであす。
●ジョーの結婚
そんなある日、ケンカ別れしてしまったベア教授が訪ねてきます。そこでふたたび絆を取り戻したジョーは彼に好意を抱いていきます。
そしてある雨の日、ベア教授は傘の下で結婚を申し込み、ジョーがそれを受け入れるのだった。
●カルメンを殺害
ジョーの結婚後、まもなくしてマーチ伯母が亡くなり、伯母のプラムフィールドの家をジョーが相続する。そこでジョーは自分たちが住むのではなく学校を開くことに決めて、ベア教授とともに子どもの教育へ生涯を費やすこととなる。そしてその間ジョーが小説を書くことはありませんでした。
●母60歳の誕生日
姉妹たちは成長し、マーチ夫人が60歳の誕生日を迎える。3人の娘とその家族たちがプラムフィールドの家へと集まり、盛大な祝福をする。
そして母は喜びながら「これからの皆の日々に、今のこの幸せ以上のものを願っってあげることはできない」と結んだ。
文章抜粋
●「まったくもう!クリスマスだってのに、プレゼントのやりとりもしないなんて、こんなのクリスマスじゃないと思うな」ラグの上に寝そべっているジョーがぶつくさ文句を言った。(冒頭の一文・若草物語1)
●「あたしは嫌だな。悲しいことになってると嫌だもの。今はみんな幸せそうだけど、これ以上幸せになれるとは思わないから」そう言いながらジョーは部屋の中をゆっくりと見渡したが、その目がだんだん輝き初めた。そこには将来の幸せを約束する光景があったからだ。
マーチ夫妻が並んで腰を下ろし、二十数年前に始まった自分たちのロマンスの第一章を静かに思い起こしていた。
エイミーは恋人たちの絵を描いていたし、恋人たちは少し離れたところに座ってふたりだけの美しい世界に遊んでいた。その世界から射し込む光がふたりの顔に優雅な雰囲気をただよわせ、それは小さな芸術家の手に余るものだった。
ベスはいつものソファに横になり、楽しそうに先輩の友人ローレンス氏と話をしており、ローレンス氏はあたかもベスが歩んできた安らかな道に自分を導いてくれる力があるのだというように、ベスの小さな手を握っていた。
ジョーはお気に入りの低い椅子にゆったりと座り、いかにも彼女らしいまじめで穏やかな顔をしていた。
ローリーはその椅子の背にもたれて彼女の巻き毛に顎を乗せ、ふたりを映し出している大きな鏡に向かって心からの友情を込めて微笑を浮かべ、うなずいてみせた。(最後の文章・若草物語1)
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2.雑多データ
ココがスゴい!
執筆中…
似ている名作
捜索中…
似ている最近の作品
●捜索中…
メディア化
●ストーリー・オブ・マイライフ-わたしの若草物語-(2019年映画)
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3.作者データ
ルイーザ・メイ・オルコット
アメリカの作家。「若草物語」が有名。後に学校を開くなどといった教育活動に従事する。生涯未婚を貫いた。
- 花のおとぎ話(Flower Fables, 1855年)
- 病院スケッチ (1863年)
- ローズ一家 (The Rose Family: A Fairy Tale, 1864年)
- ムーズ (Moods, 1865年、再編集版1882年)
- 3つの教訓物語 (1868年)
- 若草物語 (Little Women, 1868年)
- 続・若草物語 (Little Women Married, or Good Wives, 1869年)
- 昔気質の一少女 (An Old-fashioned Girl, 1870年)
- 第三若草物語 (Little Men, 1871年)
- ジョーおばさんのお話かご (Aunt Jo’s Scrap-Bag, 1872年 – 1882年)
- 労働:経験物語 (Work: A Story of Experience, 1873年)
- 8人のいとこ (Eight cousins, 1875年)
- 銀の水さし (1876年)
- 花ざかりのローズ (Rose in Bloom: A Sequel to “Eight Cousins”, 1876年)
- 現代のメフィストフェレス (A Modern Mephistopheles, 1877年)
- ライラックの花の下 (Under the Lilacs, 1877年)
- ジャックとジル (Jack and Jill: A Village Story, 1880年)
- 第四若草物語 (Jo’s Boys, 1886年)
- ルルのお話集 (Lulu’s Library, 1886年 – 1889年)
- 花物語 (A Garland for Girls, 1888年)
- 喜悲劇 (Comic Tragedies Written by Jo and Meg and Acted by the ‘Little Women’ , 1893年)
同じ年代の有名作品
- 「指環と書物」ロバート・ブラウニング(イギリス1868-1869)
- 「白痴」フョードル・ドストエフスキー(ロシア1868-1869)
- 「円長石」ウィルキー・コリンズ(イギリス1868)
同じ国の有名作家
- マーク・トゥエイン(アメリカ)
- ナサニエル・ホーソーン(アメリカ)
- ハーマン・メルヴィル(アメリカ)
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