ヒトコトあらすじ
生者と死者が協力して、霊界を支配しようとする神父の目論みを阻止、そして死者たちは天に召されるという物語となっています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1945年 作者:チャールズ・ウィリアムズ
長さ:長編 ジャンル:サスペンス・怪奇ホラー
キャラクター構成
レスター・ファーニヴル・・・・戦争で死んだ女性。幽霊として物語に関わってくる。
リチャード・ファーニヴル・・・・レスターの夫。
イヴリン・マーサー・・・・レスターの友人。レスターとともに戦争に巻き込まれて死亡。
ジョナサン・ドレイトン・・・・画家。リチャードの友人。ベティの婚約者。
ベティ・ウォリングフォード・・・・ベティの学生時代の友人。
セアラ・ウォリングフォード・・・・ベティの母親。
サイモン師父・・・・本名・シモン・ルクレルク。宗教指導者。霊界を支配しようと目論む。
舞台
ロンドン・・・イギリス・イングランドの首都。
詳しいプロット(展開)
●橋にたたずむ女性・レスター
レスター・ファーニバルは夕闇のウェストミンスター橋にひとり立ち、遠くの飛行機の音を聞いていた。 時は終戦ーー その音は平和の音を感じさせるものであった。 しかし記憶が混濁しており、よく現状が理解できず、錯乱した状態であった。
●自分は死んでいた
錯乱するレスターであったが、聞き慣れた足音が聞こえてくる。結婚したばかりの夫・リチャードである。レスターは「ずっと待っていた」とリヤードに言うが、リチャードは顔を蒼くして遠ざかっていった。
異変に気が付くレスター。まもなく夫が死んだことを思い出す。が、すぐに死んだのは自分のほうだという事を思い出した。
まもなく友人イヴリンと落ち合うと、死の直前の記憶を思い出してくる。イヴリンと会ってまもなく、飛行機が落ちてきて二人は死んだのであったことを思い出す。 レスターは自分の死を受け入れようとするも、いっぽうのイヴリンはまだ現世への心残りのある様子だった。そんな二人の霊はな手を取り合い、夜の街を歩きはじめた。
●妻の影を追う夫
妻・レスターの死から一ヶ月ーー、リチャードは画家で友人のジョナサン・トレイトンのもとを訪ねる。
ジョナサンは婚約する人物がいるという報告とともに、婚約者であるベティとその母・ウォリングフォード夫人が訪ねてくるから、その前で絵を批評してほしいと頼まれる。
リチャードはそれを承諾するも、努力むなしく、ジョナサンは義理母に才能を感じてもらえず、ベティともども婚約を破棄されるのだった。
リチャードはその後もレスターのことを考えながら歩いたりしていると、レスターを見かけた。しかしすぐに消えるといった状況に見合わせたりする。
●サイモン神父とジョナサン
いっぽうジョナサンのもとにはサイモン神父という人物が訪ねてくる。サイモン氏はジョナサンの絵を高く評価すると、肖像画を書かせるようになる。
●ベティの日常
ジョナサンの婚約者・ベティについて語られる。
ベティは家で肩身の狭い生活を送っていた。母・ウォリングフォード(実母ではない)からは頭の弱さなどをなじられていた。
そのためベティは、そんなダメな人間が、愛する人(ジョナサン)と婚約するなど、不相応な夢だったのだと惨めな想いを抱えていた。
そこへサイモン神父が訪れる。
サイモンは幽体離脱の技術を持っており、ベティを幽体離脱させることで「至福の浄域」と呼ばれる未来の光景が見える場所へと向かわせることで、 未来の情報を読み取るといったことをしていたのだった。
サイモンに言われた一ヶ月後の新聞内容を読み取る仕事を無事終えるベティ。
現代へもどり、街を歩いていると惨めな想いをしたくないという気持ちから家へ帰りたくなり、切ない気持ちに襲われる。そしてその心情は「ジョナサン…」という名前となって吐露された。霊体で町を歩いていたレスターとイヴリンが声を聞きつけて近づいてくる。しかしベティは生前のイヴリンが嫌いだったため、あわてて逃げ出した。
ベティのあとを追った二人は家にたどり着き、レスターは入っていった。
●サイモンの催眠術
リチャードはジョナサンの使いとしてサイモンをたずねていた。そこで霊界に通ずるサイモンは、レスターに会わせることも可能だと持ちかけてくる。
くつろぎの会というものに誘われるリチャード。
サイモンは催眠呪文を使って、レスターと無意識で交信しているリチャードを利用して霊界を支配しようとたくらんでいたのだった。
しかしリチャードは催眠にかからず踏みとどまった。
●レスターとベティの和解
視点はレスターらに戻り、イヴリンはベティ宅に入るのを止まったため、レスターだけが入ることに。そこでサイモンを眼にしたレスターはサイモンが偉大な存在であると勘違いする。いっぽうのサイモンは霊体のレスターがあまり見えておらず、ベティははっきりとレスターを視認していた。そこでレスターは、生前ベティに対して冷たい態度を取っていたことなどといった無礼の数々を謝る。そして二人は和解に成功する。そしてベレスターは、現世で苦しんでいるベティを守る決意をする。
●実験失敗
ウォーリング夫人とサイモンは結託しており、ベティを殺すことで霊界に送り込み、霊界支配への謀略を進めようとする。
サイモンは特異な呪文を使って「行け」とベティに命令。ベティはその催眠術をなんとか耐え忍ぼうと堪える。その様子を見ていたレスターは、サイモンが邪悪な人物だと悟り、ベティのかわりにサイモンの呪文を受けるも、崩壊しかける。結果、サイモンたちの実験は失敗に終わる。
●生者と死者の再会
声を聞きつけてリチャードとジョナサン登場。リチャードはそこでレスターと声を掛け合い、死を超えて意思疎通することに成功する。いっぽうの 目覚めたベティの方も破談したジョナサンにまた会えたため、レスターに感謝する。
いっぽう、ウォーリング夫人は儀式の失敗について憤慨するのだった。
●イヴリンの寝返り
いっぽうレスターと別れ、独り寂しい想いをしていたイヴリン。そこへサイモンが現れ手を差し伸べる。彼についていくと、もしもレスターを連れてくればベティの肉体を与えると条件を出され、それを承諾する。
●イヴリンの誘い
一方レスターはベティとふたりきりなったタイミングで、イヴリンも助けたいと持ちかける。そこにちょうどよくイヴリンが帰ってくる。イヴリンはすでにサイモンの駒になっており、だましてレスターをサイモンのもとへ連れて行く。
●共有の肉体
サイモンはレスターらがやってくると、さっそく二人に共有の肉体を与えることにした。霊に体を与えることで、それで生身のベティを連れて来させようと作戦だったのだ。
●いざ教会へ
ジョナサン宅でリチャードとベティ、ジョナサンらが待っているとベルが鳴る。現れたのは醜い女だった。だが まもなくレスターの声を聞き分けるとその矮人はレスターの入った人形であると気づく。四人は再会を喜ぶ。
しかしリチャードに会ったので肉体を返さなければならないとレスター は言う。そのため四人はタクシーでサイモンのもとへと向かった。
●サイモンを阻止
教会にレスターの入った人形が入ると、サイモンの法が発動し、サイモンの癒しが解除されたことで病人たちが一同に階段に溢れたりする
やがてサイモンは術は失敗し、ベティが自由でいることに気づき、自分で殺すしかないと思う。
ベティに襲いかかるサイモンだがそれも失敗に終わるのだった。
●レスターらとの別れ
雨は止み、朝の光が差し込む。イヴリンはレスターの誘いを無視すると、ひとり外の世界へ消えた。レスターはまだ生きているベティを勇気づけ、最愛のリチャードに愛を伝える。彼女は聖者たちとともに光になって消えた
●現世を生きはじめるベティ
ベティは病める人たちを癒していくが疲れ切ってしまうが、その傍らではジョナサンとリチャードがサポートする姿もあった。ベティはふたりに支えられて帰ろうとしたが、階上にまだ病人がいると呼び止められると微笑み、力を振り絞ってふたたび立ち上がった。
文章抜粋
●彼女はウェストミンスター橋にたたずんでいた。たそがれ時だったが、シティはこれまでのように暗くはなかった。(冒頭の一文)
●最後の気力を振り絞って彼女はしゃんとした。そして言った。「ええ……いいわ。ジョン、いいでしょう……」(最後の一文)
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2.雑多データ
ココがスゴい!
執筆中…
似ている名作
捜索中…
似ている最近の作品
●ゴースト/ニューヨークの幻(1990年映画)
死んだ男が幽霊となって、恋人に会いに行くという恋愛映画。「万霊節の夜」と違い舞台は「アメリカ」、死ぬのが「男女逆」となっていますが、”幽霊が恋人に会いに行く”という大筋はかなり似ていると思います。
メディア化
●
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3.作者データ
チャールズ・ウィリアムズ
イギリスの作家。「天の戦い」「万霊節の夜」などが有名。
小説
- 1930年:天の戦い
- 1930年:多次元
- 1931年:ライオンの場所
- 1932年:グレータートランプ
- 1933年:エクスタシーの影
- 1937年:地獄への降下
- 1945年:万霊節の夜
- 1970–72:そこになかったノイズ(未完成)
同じ年代の有名作品
- 「サラムボオ」ギュスターヴ・フローベール(フランス1862)
- 「ノー・ネーム」ウィルキー・コリンズ(イギリス1862)
- 「レ・ミゼラブル」ヴィクトル・ユゴー(フランス1862)
同じ国の有名作家
- イワン・ツルゲーネフ(ロシア)
- レフ・トルストイ(ロシア)
- イワン・ゴンチャロフ(ロシア)
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