ヒトコトあらすじ
屋敷に集めてきた蒐集品をめぐって、母と息子が周囲を巻き込みながら争う。しかし最後は火事によって屋敷もろともすべてが消え失せてしまうという物語に成っています。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1897年 作者:ヘンリー・ジェイムズ
長さ:中編 ジャンル:家庭・悲劇
キャラクター構成
ミセス・ゲレス・・・・夫人。亡き夫とともに集めてきた蒐集品を、相続人となった息子から守るため、さまざま手段を練る。
フリーダ・・・・画家志望の女性。パトロンであるミセス・ゲレスを助けるためにオーウェンに近づくも、彼に恋をする。
オーウェン・・・・ミセス・ゲレスの息子。
モナ・・・・モナの婚約者。
舞台
イングランド・・・イギリスの一地域。
詳しいプロット(展開)
●蒐集家の夫婦
ミセス・ゲレスは、夫とともに美術品を集めている蒐集家であった。夫婦はポイントンの邸宅にあらゆる美術品を取り揃えており、類稀なる審美眼を持つ彼女にとって、その品々は命よりも大事なものであった。
●夫の死
しかしミセス・ゲレスは夫に先立たれてしまい、ポイントンの邸宅とその美術品すべては、息子・オーウェンに法律上、相続される事態に陥っていた。
●ぼんやりとした息子
ミセス・ゲレスは不安に駆られた。なぜかというと、息子オーウェンは両親の審美眼や美術への関心をいっさい受け継がない、ぼんやりとした息子だったからである。
もしも彼が騙されて俗物な女と結婚でもすれば、命よりも大事な蒐集品が危険になると懸念したからである。
●婚約者・モナ
そして実際オーウェンは、ミセス・ゲレスの予想する通り、俗物な女・モナを紹介してきた。彼女は美人だったが、美術にいっさい興味はなく、ミセス・ゲレスが懸念していた通りの人柄だった。
●フリーダの恋心
ミセス・ゲレスは、かつて出会い意気投合した友人・フリーダに悩みを吐露する。フリーダは画家を目指す貧乏な人物であり、その流れでミセス・ゲレスよコンパニオンとなり、一緒に暮らすことになる。
そこでフリーダはオーウェンにも出会うが、繊細な彼女は他人の自分が同居するのは彼の迷惑になるのでは?と思い悩んだが、鈍感な彼は彼女を快く歓迎した。そんなオーウェンの朗らかな態度に、密かにフリーダは惹かれていく。
●繊細なフリーダ
まもなく、ポイントンにモナとその母親がやってくる。案の定、母娘ともに美術品にはいっさい興味を示さず、むしろ邪魔な物品としか見えていない様子。腹を立てたミセス・ゲレスは、オーウェンに対して、モナよりもフリーダと結婚するべきだと本音を吐いてしまう。
その状況に繊細なフリーダは後ろめたい気持ちになり、ミセス・ゲレスにそんな事はあり得ない!と恋心とは裏腹の返事を返した。
●板挟みのフリーダ
オーウェンとモナはまもなく婚約する。それによってミセス・ゲレスの蒐集品は、リックスというこじんまりとした屋敷に、押し込めて置いてもらいたいと要請される。
それに対してミセス・ゲレスは息子夫婦に怒りを抱く。 心優しいフリーダは、そんな母と息子のいざこざに巻き込まれていく。そして、それぞれから交渉を頼まれ、恋情を抱えながら二重スパイ的な状況を強いられることになる。
●傾きはじめるオーウェンの心
フリーダは、妹の結婚式でロンドンへと少し帰省する。するとミセス・ゲレスは彼女が帰ってくるまでの間に、全てのものをすさまじい早さでリックスへと移動させた。
いっぽうのフリーダはちょうどロンドンでオーウェンと会い、うまくミセス・ゲレスを丸め込んでくれたことを感謝されるが、実際は屋敷の中身がすっからかんになっているという行き違いが生じたため、まもなくフリーダはオーウェンに責められることとなる。
オーウェンはモナによって、美術品を回収するまで結婚は延期すると告げられたことをフリーダに言う。しかし責めるつもりが、オーウェンは熱のこもった視線をフリーダに送り始めていた。オーウェンは強欲なモナに嫌気がさし、少しずつフリーダに惹かれていたのだ。
●閃くミセス・ゲレス
勘の鋭いミセス・ゲレスは、息子オーウェンがフリーダに惹かれていくことを見抜く。彼女はフリーダに対してオーウェンと結ばれることができたなら、オーウェンからの要求通り蒐集品をポイントンへ返還すると約束した。
●婚約破棄の約束
しかしオーウェンとモナの関係を壊すことに抵抗のあったフリーダは、行動に移すことなく時を過ごしていた。すると待てなくなったミセス・ゲレスが、オーウェンに彼女の居場所を教えたことで、オーウェンがフリーダのもとへやってくる。
だがオーウェンが告白しようとした時、モナの母親が訪ねてくる。モナの母親は、オーウェンの心変わりを見抜いており、恋路を阻止しようとやってきたのだった。オーウェンはモナの母親と口論となり、何とか彼女を追い出した。
オーウェンはそのままフリーダへ告白するが、清廉なフリーダは、モナとの関係をキレイに解消してからでなければ告白は受けられないとオーウェンへ告げた。
●送り返してしまうミセス・ゲレス
いっぽう追い返されたモナの母親は、ミセス・ゲレスのもとを訪ね、オーウェンとフリーダの関係についての苦情を漏らした。ミセス・ゲレスは、二人がこれで結ばれたのだと安心し、ポイントンへ美術品を送り返した。
●オーウェンとモナの結婚
しかし土壇場になって、モナが決死の作戦でオーウェンの心を取り戻そうとする。オーウェンはまんまとモナの魅力に再び魅入られることとなり、二人は結婚した。
●共同生活
追い出され、蒐集品も失ったミセス・ゲレスだったが、自分のために奔走したフリーダと細々と共同生活を始めた。
フリーダは、あらゆる試みを失敗させた自分を、なぜミセス・ゲレスは受け入れてくれたのかが疑問だったが、まもなく蒐集品について語り合えるのは彼女しかいないからだと告げられた。
リックスの家はポイントンに比べると貧相だったが、ミセス・ゲレスの美的センスによって、キレイな家に様変わりした。
●燃えるポイントン
数ヶ月後、フリーダのもとにオーウェンから手紙が届く。そこには蒐集品のひとつ「白眉」というものを彼女に受け取って欲しいという内容だった。フリーダは手紙に従ってポイントンへ向かった。しかし駅から降りて間もなく、辺りは黒煙のにおいに包まれていた。燃えていたのはポイントンの屋敷だった。そしてポイントンの屋敷は中のあらゆる蒐集品とともに灰となった。
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文章抜粋
●(原本未入手)
2.雑多データ
ココがスゴい!
執筆中…
似ている名作
執筆中…
似ている最近の作品
●君の膵臓をたべたい
映画化もされた悲恋小説。病気を患うヒロインと主人公が、作中さまざまなやりとりをしていきますが、予測できない角度から”衝撃のラスト”が訪れます。その展開が今作と少し似ているかなと思います。
メディア化
●特にメディア化されていません。
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3.作者データ
ヘンリー・ジェイムズ
アメリカ生まれのイギリスの小説家。代表作に「デイジー・ミラー」「ある婦人の肖像」「ねじの回転」「使者たち」などがある。
- 「情熱の巡礼」
- 「マダム・ド・モーヴ」
- 「モーヴ夫人」
- 「未来のマドンナ」
- 「巨匠の教訓」
- 「ロデリック・ハドソン」
- 「アメリカ人」
- 「ヨーロッパ人」
- 「デイジー・ミラー」
- 「国際エピソード」
- 「四度の出会い・初老」
- 「ホーソーン研究」
- 「アスパンの恋文」
- 「智慧の樹」
- 「巨大なベッド」
- 「女相続人」
- 「ボストンの人々」
- 「カサマシマ公爵夫人」
- 「ある婦人の肖像」
- 「ザ・リヴァーバレイター」
- 「ロンドン生活」
- 「悲劇の女神」
- 「芝居」
- 「ガイ・ドンウィル」
- 「当惑」
- 「あちらの家」
- 「メイジーの知ったこと」
- 「二つの魔術」
- 「ねじの回転」
- 「厄介な年頃」
- 「使者たち」
- 「金色の盃」
- 「聖なる泉」
- 「鳩の翼」
- 「ジャングルの猛獣」
- 「ポイントン邸の蒐集品」
- 「友だちの友だち」
- 「ウィリアム・ウエットモア・ストリーとその友人たち」
- 「檻の中」
- 「象牙の塔」
- 「嘘つき」
- 「死者の祭壇」
- 「フランスの田舎町めぐり」
- 「信頼」
- 「バルザックの教訓」
- 「イギリス旅行記」
- 「アメリカ印象記」
- 「あちらの家」
- 「イタリー旅行記 郷愁のイタリア」
- 「抗議」
- 「少年と他の人々 ヘンリー・ジェイムズ自伝」
- 「息子と弟の覚え書」
- 「トランスアトランティク・スケッチェズ(旅行記)」
- 「ある年の物語」
- 「後見人と被後見人」
- 「フランスの詩人と小説家」
- 「国語の問題(講演録)」
同じ年代の有名作品
- 「ナーシサス号の黒人」ジョセフ・コンラッド(イギリス1897)
- 「吸血鬼ドラキュラ」ブラム・ストーカー(アイルランド1897)
- 「かもめ」アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ(ロシア1897)
同じ国の有名作家
- ジョセフ・コンラッド(イギリス)
- サマセット・モーム(イギリス)
- ジョゼフ・ラドヤード・キップリング(イギリス)
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