「マノン・レスコー」あらすじと解説・登場人物や舞台 ジョルジュ・サンド



ヒトコトあらすじ


 金持ちの息子と、移り気な美女の恋愛を紆余曲折を経ながら描くが、最後には死に別れてしまうという物語となっています。


スポンサーリンク

●1.基本データ
 Lキャラクター構成
    L舞台設定
 L詳しいプロット(展開)
 L文章抜粋
 

●2.補足データ
   Lココがスゴい!
 L似ている名作
 L似ている最近の作品 
 Lメディア化


●3.作者について
  L同じ年代の有名作品
        L同じ国の有名作家



1.基本データ




初刊:1731年 :アベ・プレヴォ
長さ:中編 ジャンル:恋愛・悲劇


キャラクター構成



マノン・レスコー・・・・美しい少女。シュヴァリエを翻弄する。

シュヴァリエ・・・・青年。家が金持ち。マノンに恋をする。

チベルジュ・・・・シュヴァリエの親友。

G・M・・・・マノンの金づる男。金持ち

レスコー・・・・マノンの兄。近衛兵。

サンヌレ・・・・アメリカで出会った司政官の息子。マノンに恋をする。

T・・・・逃避行を続けるマノンとシュヴァリエの援助者。


舞台


フランス・・・物語の最初の舞台。

アメリカ・・・後半、物語が繰り広げられる舞台。



詳しいプロット(展開)



●美女 マノン・レスコー

 青年シュヴァリエ・デ・グリュウは学校で哲学を修め、家へと戻る手筈を整えていた。友人のチベルジュとの別れを惜しみながら、彼とともに最後の散歩に赴いていた。
 そこで彼は美女に遭遇する。彼女の名は「マノン・レスコー」。シュヴァリエはすっかり彼女の虜となる。

●若い二人の逃避行

 マノンと話しているうち、彼女が自分の意志に反して修道院に入れられることを嫌がっていることを知る。それをチャンスと感じたシュヴァリエは、一緒に逃げ出すことを提案して、マノンもそれを受け入れる。
 友人のチベルジュは逃走に反対するが、シュヴァリエはその助言を拒絶する。
ふたりはパリへと向かい宿を借りて至福の3週間を過ごした。
 シュヴァリエの所持金が、底を尽きそうだった。これによってふたりの蜜月は終わることになる。
 シュヴァリエは金銭面でもサポートも得るため、父親にマノンとの結婚を認めてもらおうとする。しかし肝心のマノンがそれに反対した。
 マノンは自分が金蔓を見つけるから必要ないと言った。

●シュヴァリエの父

 しばらくして、マノンが隣に住むB某と関係を持っているのではと疑心暗鬼になるシュヴァリエだったが、マノンを信じることにした。
 そんななか、シュヴァリエは父親が差し向けてきた使用人たちによって家に強制的に連れ戻される。

●シュヴァリエ、神学校へ

 父親にマノンは浮気っぽい危険な女だと忠告を受けるが、シュヴァリエはそれを信じようとしなかった。
 頑ななシュヴァリエは父親によって半年間監禁されることになる。監禁後は、親友チベルジュなどとも会いながら、僧の道を目指すことに決める。彼は神学校に入り優秀な成績を修めた。その頃にはマノンのことなどすっかり忘れていた。

●運命の再会

 だがある時、公開討論会に参加していたシュヴァリエをマノンは見かける。二人は再会を果たして、より美しく成長したマノンにシュヴァリエはすぐに心奪われてしまう。
 そしてマノンの一途な思いを感じ取ったシュヴァリエは神学校から逃げ出した。二人はマノンがBからだまし取っていたお金でパリへと向かい、郊外のシャイヨーに家を借りた。
 二人は逃走の身でありながらも多くの人と付き合い、贅沢な暮らしをおくり、シャイヨーだけでなくパリでも家を借りた。

●兄レスコー、金づるのG・M

 ある時、パリでマノンの兄・レスコーと遭う。彼は二人の家に入り浸るようになる。そんな時、シャイヨーの家が火事になり、二人は全財産を失う。
 そこでレスコーは美しいマノンを利用して、男たちから金を取ろうと持ち掛けてくるがシュヴァリエは断り、代わりに自分が賭博師となって生計を立てると宣言する。
 はじめはツキが回ってきてうまくいっていたが、やがてはうまくいかなくなった。そこへ兄レスコーが説得しにやってきたことで、マノンはG・Mという金持ちの男の愛人をさせられることになる。

●捕まる二人

 G・Mの愛人となったマノンは、シュヴァリエを自分の弟という呈にしてG・Mの家に住まわせた。そしてG・Mからもらった高価なものや贈り物を片っ端からふたりで売りさばいた。だがそれも長くは続かず、G・Mに目論見がバレたことでふたりは懲役刑となる。

●シュヴァリエの殺人

 それぞれ違う刑務所に収監されるふたり。シュヴァリエはその事実を知ると、マノンを救い出そうと考える。
 面会に来たチべルジュを介して兄レスコーに手紙を渡して、シュヴァリエは彼から調達された銃を持って逃走に成功する。だが途中で看守を撃ち殺してしまう。

●恩人T

 絶体絶命のなか、シュヴァリエは自分の境遇に同情してくれた裕福な人物Tに助けられ、マノンの救出にも成功する。
 しかし兄レスコーと再会するや否や、彼は賭博で恨まれていた男に銃殺されてしまう。二人は自分たちがレスコーを殺したと思われるのを避けるため、シャイヨーへと急いだ。

●G・Mへの復讐

 友人チベルジュやTの助力もあって、看守の殺害なども隠蔽されてふたりはひっそりと暮らし始める。だがそこにかつての元凶であるG・Mの息子がやってくる。
 彼はマノンに一目惚れしたという理由でやってきたのだった。
 全くその気のないマノンだったが、彼から金を巻き上げることができれば父G・Mに復讐っできると考えた彼女は彼の誘いに乗る。

●計画の失敗

だが、金品財宝に目が無いマノン。すぐに彼の豪奢な屋敷に魅せられはじめてしまう。一方、マノンの心変わりに気づいたシュヴァリエはG・Mの息子をTの協力を得て縛り上げたあとで、マノンを取り戻そうとする。
しかし計画はなかなか上手いように進まず、従僕に目撃されてしまったこともあり、すぐに父G・Mが警察を伴って現れる。

●いざアメリカへ

 シュヴァリエは捕まり、シャトレーという古城の牢獄へと収監された。彼は父が警察関係にも顔が広いという事もあって、なんとか懲役から免れる。
 だが、マノンがアメリカの流刑にされることを知る。シュヴァリエはこの件について彼女も救けてほしいと父に頼み込むがとうとう勘当されてしまう。

●恋敵・サンヌレ

 シュヴァリエはマノンに付き添い、アメリカへと渡った。ふたりはボロボロの家で暮らし始めたものの、互いがそばにいるだけで満足だった。
 やがてふたりは、知り合った司政官に正式な夫婦として公認してほしいと願うが断られる。なぜなら司政官の甥サンヌレが、マノンの美貌に想いを寄せていたからである。

●マノンの死

 シュヴァリエはサンヌレと決闘を行うが彼を殺してしまったと勘違いして遁走する。彼はマノンを連れて逃走を図る。だが道のりは険しく、マノンが疲労から体調を崩して死んでしまう。

●死にきれず…

彼女を埋めると、シュヴァリエはその上に横たわり自分も死を待った。だが衰弱したところを発見され、彼は一命を取り留める。

●帰国へ

 しばらくして、友人のチベルジュがやってくる。彼は故郷フランスへ帰ろうという誘いでやってきたのだった。シュヴァリエは自分のこれまでの罪深い生き方を償う決心をすると、チベルジュとともにフランスへと戻るのだったーー。





スポンサーリンク

文章抜粋


●私が初めてシュヴァリエ・デ・グリューに出遇った私の生涯のその時代にまで、私は読者を遡らせなければならぬ。それはスペインへ出発するおよそ六ヶ月前であった。(冒頭の一文)




2.雑多データ


ココがスゴい!


●捜索中…


似ている名作


椿姫(1848年)

>>>解説記事へ
同じフランスの作家、アレクサンドル・デュマ・フィスの恋愛悲劇。青年が美女に恋をして死別するという流れが非常に似ています。



似ている最近の作品


●捜索中…

メディア化


●マノン・レスコー(2013年映画)

 2013年に映画化されています。




スポンサーリンク



3.作者データ

アベ・プレヴォ


フランスの聖職者、小説家。代表作に『マノン・レスコー』などがある。

    • マノン・レスコー(1731年)
    同じ年代の有名作品
    同じ国の有名作家


    スポンサーリンク
    Author: meisaku

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。