「町」あらすじと解説・登場人物や舞台 ウィリアム・フォークナー

ヒトコトあらすじ


 スノープス家の隆盛を描く物語となっており、<><>につながる三部作の第二作目。


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●1.基本データ
 Lキャラクター構成
    L舞台設定
 L詳しいプロット(展開)
 L文章抜粋
 

●2.補足データ
   Lココがスゴい!
 L似ている名作
 L似ている最近の作品 
 Lメディア化


●3.作者について
  L同じ年代の有名作品
        L同じ国の有名作家



1.基本データ





初刊:1957年 :ウィリアム・フォークナー
長さ:長編 ジャンル:地方記・群像劇


キャラクター構成



フレム・スノープス・・・・スノープスの代表的な人物。

ユーラ・ヴァーナ―・・・・フレムの妻、ビリ―の娘。

リンダ・スノープス・・・・ユーラの娘だが、フレムと血の繋がりはない。

ビリー・ヴァナー・・・・ユーラの父親にしてフレムの義父。

ド・スペイン・・・・ジェファソンの町長を経て銀行の頭取に。ユーラと愛人関係になる。

ラトリフ・・・・ミシンの商人。



舞台


ヨクナパトーファ郡ジェファソン・・・架空の土地。町の名前。三部作の舞台のひとつとなっている。



詳しいプロット(展開)


●フレム・スノープスの17年間

 」から17年の時が経過した。 フレンチマンズ・ベンドにやってきたスノープス家、およびフレム・スノープスの成り上がりのあらすじが軽く語られる。  
 そして彼は現在、ジェファソン(町の名)の発電所の監督という位置に就いていた。

●ジェファソン町長・ド・スペイン

 このとき、ジェファソンの町長はド・スペインという元軍人の男だった。彼はまもなくユーラと愛人関係になる。  
 いっぽうのフレムは発電所の部品を盗んで売り捌いていたが、それが見つかると発電所の監督を辞することになったりする。

●弁護士・ギャヴィン

 そんななかギャヴィンというひとりの弁護士が、ジェファソンにやってくる。彼はハーバード出のエリートで、父の跡を継ぐ形で、町の弁護士となった。  
 そんな彼だが、ある時ユーラを見かける。ギャヴィンはたちまち彼女に一目惚れしてしまう。
 だが彼女にはすでに愛人ド・スペインがいたため、ギャヴィンとド・スペインのユーラをめぐる諍いが起こる。最後には殴り合いから裁判にまで発展するが、ギャヴィンはユーラに色仕掛けを受けたことで訴訟を取り下げ、同時に悪の蔓延るジェファソンから去り、ドイツの大学へと向かった。

●ド・スペインの思惑

 世の中では第一次世界大戦が終了。
 するとジェファソンの銀行の頭取であったサートリス大佐が交通事故で亡くなる。その空いたポストにド・スペインが入り、彼は頭取となる。そのあとフレム・スノープスが副頭取に就任する。
 というのも、銀行の大株主であるビリー・ヴァナーと面識のあるフレムを地位に付けることで、フレムにビリーをうまく動かしてもらおうというド・スペインの策略があっての就任だった。

●フレムの思惑

 まもなく、大学を修了したギャヴィンがジェファソンに戻ってくる。彼はフレムの動向を探り、彼がこれまでの悪い行いを正し、銀行副頭取としてふさわしい態度を取り、頭取の座を狙っていることを察した。  
 彼は自分の体裁を守るため、悪目立ちするスノープス一族を次々に粛清していき、彼らを次々に町から追い出すなどした。

●ユーラの娘・リンダ

 そんななかでギャヴィンはかつて想い人であったユーラの、その娘・リンダに惹かれていた。
 歳はかなり離れていたが、それでもその気持ちを誤魔化すことはできなかった。ギャヴィンは彼女のもとへ通いつめるようになる。
 まもなく高校卒業という頃になると彼女に別地域の大学への進学を勧める。しかし、リンダを追って義父ビリーの相続人となっている娘・ユーラまでいなくなりそうだったので、フレムは進学を許さなかったのである。

●銀行頭取・フレム

 だが、事態は一変。 フレムはリンダの大学行きを許す代わりに、ユーラに義父ビリーからもらう遺産を自分に流すという書面を書かせた。そしてそれを持ったフレムは、ビリーのもとを訪れてユーラとド・スペインの不倫関係を耳打ちした。  女の裏切りに怒ったビリーは、フレムの思惑通り彼に銀行の株を譲り、そして不倫相手であるド・スペインを失脚させて、新たな頭取の座にフレムを就けた。  

●命を絶つユーラ

 ド・スペインとともに町を去ることになってユーラが、ギャヴィンのもとに訪れる。そして娘のリンダと結婚して守ってほしいとだけ言い残すと、まもなくユーラは自ら命を絶った。  

●哀しむ町人たち

 ギャヴィンは、リンダが大学へ行く手筈を整えていた。フレムからの入学の認可が降りたからである。頭取という座を手に入れたフレムにとっては、リンダが町から出て行こうが行くまいがということはもはやどうでも良い事柄だったのである。  
 また、ギャヴィンはユーラの葬儀にも参加して、ラトリフと話をするうちに泣き崩れた。  
 いっぽうのド・スペインは、ユーラの葬儀が終わると、何もかもを捨て、町を出て行った。  

●<館>へ続く…

 欲しいモノを手に入れたフレムはその後、かつてのド・スペインの家を購入。新しい自分の城とするために職人らに改装を進めさせるのであった。





文章抜粋


●ぼくはまだ生まれていなかった、だからその場にいたのはいとこのガウアンで、彼は見もし、覚えもする年頃になっていたので、あとでぼくが物心つく年頃になった時、話してくれたのも彼だった。(冒頭の一文)




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2.雑多データ


ココがスゴい!


執筆中…


似ている名作


●「黄金の林檎」ユードラ・ウェルティ

>>>解説記事へ<<<
ある町を多角的な視点から描いているユードラ・ウェルティ作「黄金の林檎」。マクレイン家という「権力をもった家系」が周囲に影響力を持っているという点においてかなり似た名作になっているなと思いました。



似ている最近の作品


●「ゴッド・ファーザー」シリーズ

 アメリカ製作のシリーズ映画。マフィアである「コルレオーネ家」を中心に、その周囲で起こる出来事を描いていきます。
 権力を持つある一家を中心に描いている構成、親から子へ主役の立ち位置が変遷する展開、三部作であることなど、同じアメリカ作品ということもあり、かなり類似点の多い作品ではないかなと思います


メディア化








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3.作者データ

 

ウィリアム・フォークナー

 20世紀アメリカ文学を代表する作家。代表作に「サンクチュアリ」「八月の光」「アブサロム、アブサロム!」などがある。

    長編小説

    • 兵士の報酬Soldier’s Pay 1926年
    • 蚊Mosquitoes 1927年
    • サートリスSartoris 1929年
    • 響きと怒り The Sound and the Fury 1929年
    • 死の床に横たわりて As I Lay Dying 1930年
    • サンクチュアリ Sanctuary 1931年 
    • 八月の光 Light in August 1932年 
    • 標識塔(パイロン)Pylon 1935年 
    • アブサロム、アブサロム! Absalom, Absalom! 1936年
    • 野生の棕櫚The Wild Palms 1939年
    • 村 The Hamlet 1940年
    • 墓地への侵入者Intruder in the Dust 1948年
    • 尼僧への鎮魂歌Requiem for a Nun 1951年
    • 寓話A Fable 1954年
    • 町The Town 1957年 
    • 館The Mansion 1959年 
    • 自動車泥棒The Reivers 1962年 

    短編集

    • 『エミリーに薔薇を』(A Rose for Emily、1930年)『フォーラム』誌掲載
    • 『これら十三篇(英語版)』(These 13、1931年)
    • 『医師マルティーノ、他』(Doctor Martino and Other Stories、1934年)十四の短編を集めた本
    • 『征服されざる人々』(The Unvanquished、1938年)
    • 『行け、モーゼよ、その他(英語版)(Go Down, Moses、1942年)※
    • 『ポータブル・フォークナー』(The Portable Faulkner、マルカム・カウリー編纂・1946年)
    • 『駒さばき』(Knight’s Gambit、1949年)(邦題『ナイツ・ギャンビット』とも)
    • 『フォークナー短編集』(Collected Stories of William Faulkner、1950年)
    • 『大森林』(Big Woods、1955年)(邦題『大いなる森』とも)
    • 『ニューオリンズ・スケッチ』(New Orleans Sketches、1955年)
    • 『長野のフォークナー』(ロバート・A・ジェリフ編、1956年)

    詩集、エッセイ、その他

    • 『大理石の牧神』(The Marble Faun、1924年)
    • 『緑の大枝』(A Green Bough、1933年)
    • 『ミシシッピー』(自伝エッセイ、1954年)
    • 『ウィリアム・フォークナー ニューオリンズスケッチ集』(カーヴェル・コリンズ編、1958年)
    • 『ねがいの木』(娘のために書いた物語、1964年)

    映像脚本

    • 『最後の奴隷船』(ジョージ・S・キングの小説、1937年)
    • 『待つと待たぬと』(ヘミングウェイの小説、1945年)
    • 『永遠の戦場』 THE ROAD TO GLORY (1936年)
    • 『脱出』 TO HAVE AND HAVE NOT (1944年)
    • 『三つ数えろ』 THE BIG SLEEP(1946年)
    • 『ピラミッド』 LAND OF THE PHARAOHS (1955年)  

     

    同じ年代の有名作品
    • 「ドクトル・ジバゴ」ボリス・パステルナーク(ロシア1957年)
    • 「二人の女」モラヴィア(イタリア1957年)
    • 「追放と王国」アルベール・カミュ(フランス1957年)
    同じ国の有名作家
    • リチャード・ライト(アメリカ)
    • カーソン・マッカラーズ(アメリカ)
    • トマス・ウルフ(アメリカ)


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    Author: meisaku

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