ヒトコトあらすじ
スノープス家の隆盛を描く物語となっており、<町><館>と続く三部作の第一作目。
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●1.基本データ
Lキャラクター構成
L舞台設定
L詳しいプロット(展開)
L文章抜粋
●2.補足データ
Lココがスゴい!
L似ている名作
L似ている最近の作品
Lメディア化
●3.作者について
L同じ年代の有名作品
L同じ国の有名作家
1.基本データ
初刊:1940年 作者:ウィリアム・フォークナー
長さ:長編 ジャンル:地方記
キャラクター構成
フレム・スノープス・・・・アブの息子。低い身分から成り上がっていく。
アブ・スノープス・・・・貧乏な白人。フレムの父。
ウィル・ヴァーナ―・・・・フレンチマンズ・ベンドの権力者。
ジョーディー・ヴァーナ―・・・・ウィルの息子。
ユーラ・ヴァーナ―・・・・ヴァーナー家の末娘。フレムの妻になる。
ラトリフ・・・・ミシン商人。
ヘンリー・アームステッド・・・・農夫。フレムに騙されておかしくなる。
舞台
ヨクナパトーファ郡・・・架空の土地。アメリカに存在する地方の名前。三部作の舞台となっている。
フレンチマンズ・ベンド・・・ヨクナパトーファ郡にある土地。
詳しいプロット(展開)
●権力者・ヴァーナー氏
架空の土地・ヨクナパトーファ郡フレンチマンズ・ベンドには大地主であるウィル・ヴァーナ―という男が君臨していた。
彼の息子・ジョーディーはそんな父親の恩恵を受け、いくつもの店や小作地の監督をしていた。
●スノープス家との出会い
ある時、ジョーディーが自分の店にいる時、ひとりの男が畑を貸して欲しいと訪ねてくる。
彼の名はアブ・スノープス。まもなく彼の息子フレム・スノープスがジョーディーの店で働くようになると、少しずつ権力のあるヴァーナ―家に、スノープス家が介入していく。
●アブの過去
ミシンの売り歩いている商人・ラトリフは、アブの過去を知っていた。彼はかつて南北戦争中というチャンスを利用して馬の売買業にいそしんでいたが、悪徳な馬商パット・スタンパーという男に騙されたという過去があった。
そのためアブはどこか疑念の深い人物となっており、ラトリフが再会して話をするも、彼の態度はそっけないものだった。
●成り上がっていくフレム
ヴァーナー家に取り入ったフレムは、着実に頭角を現していく。やがてジョーディーなどよりもはるかに仕事を上手くできた事なども評価させていき、その影響で他のスノープス家の人々が、村のさまざまな業種に取り入っていくようになった。
●フレムの結婚
ヴァーナー家の末娘・ユーラは怠け者であったが、美貌を備えていた。彼女はフレンチマンズ・ベンドの男たちを翻弄する存在として有名だった。
しかし16歳の時、複数の男と交際している中で、子どもを身ごもってしまう。父親も誰か分からず、さらに交際相手は全員、フレンチマンズ・ベンドからいなくなっていた。
そこへスノープス家が介入してくる。そしてユーラはフレムと結婚することになり、フレムは新たな土地を手に入れた。
●スノープス家によるトラブル
フレンチマンズ・ベンドでは、少しずつスノープス家の数と権力が拡大しつつあり、同時にスノープス家がさまざまな問題を起こすようになる。
知恵遅れの人物を見世物に金儲けしたり、喧嘩になった相手を銃殺するなど、スノープス家のいくつかの親戚が悪目立ちしていく。 さらに主要人物であるフレムも、馬の売買でのトラブルなどに巻き込まれ、さらに喧嘩相手を銃殺したミンク・スノープスには終身刑が言い渡された。
●フレムの罠
馬の売買でフレムと揉めた人物、ヘンリー・アームステッドは、ラトリフにフレムが秘密裏に自分の土地を何やら掘り返しているという事を聞く。
どうやらその土地には、住んでいた先代の者が、財宝を埋め隠したなどという噂もあったため、ヘンリーたちは仲間をかき集め、真夜中の掘り作業に乗り出した。
すると中から銀貨が出てきたため、彼らは慌ててその土地を買った。フレムは高い土地代を要求してきたが、地下の財宝を独占できるのならば安い買い物だと思った。
だが土地を買ったあと掘り進めても、財宝はひとつも出てこない。さらに掘り当てた銀貨も大して価値のないものだと分かり、そこで彼らはフレムにハメられたことに気づく。
●おかしくなったヘンリー
それによりヘンリー・アームステッドは精神を患い、ハメられた事を信じようとせず、取り憑かれたように昼夜を通して堀作業を行っていた。
そのおかしな様子は周囲からも評判となり、たまたま通りがかったフレムもその様子を観たが、特に何言う事なく手綱を引くと、馬車をふたたび進め始めた。
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文章抜粋
●(原本未入手)
2.雑多データ
ココがスゴい!
●執筆中
似ている名作
●「黄金の林檎」ユードラ・ウェルティ
>>>解説記事へ<<<
ある町を多角的な視点から描いているユードラ・ウェルティ作「黄金の林檎」。マクレイン家という「権力をもった家系」が周囲に影響力を持っているという点においてかなり似た名作になっているなと思いました。
似ている最近の作品
●「ゴッド・ファーザー」シリーズ
アメリカ製作のシリーズ映画。マフィアである「コルレオーネ家」を中心に、その周囲で起こる出来事を描いていきます。
権力を持つある一家を中心に描いている構成、親から子へ主役の立ち位置が変遷する展開、三部作であることなど、同じアメリカ作品ということもあり、かなり類似点の多い作品ではないかなと思います。
メディア化
●特になし
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3.作者データ
ウィリアム・フォークナー
20世紀アメリカ文学を代表する作家。代表作に「サンクチュアリ」「八月の光」「アブサロム、アブサロム!」などがある。
- 兵士の報酬Soldier’s Pay 1926年
- 蚊Mosquitoes 1927年
- サートリスSartoris 1929年
- 響きと怒り The Sound and the Fury 1929年
- 死の床に横たわりて As I Lay Dying 1930年
- サンクチュアリ Sanctuary 1931年
- 八月の光 Light in August 1932年
- 標識塔(パイロン)Pylon 1935年
- アブサロム、アブサロム! Absalom, Absalom! 1936年
- 野生の棕櫚The Wild Palms 1939年
- 村 The Hamlet 1940年
- 墓地への侵入者Intruder in the Dust 1948年
- 尼僧への鎮魂歌Requiem for a Nun 1951年
- 寓話A Fable 1954年
- 町The Town 1957年
- 館The Mansion 1959年
- 自動車泥棒The Reivers 1962年
- 『エミリーに薔薇を』(A Rose for Emily、1930年)『フォーラム』誌掲載
- 『これら十三篇(英語版)』(These 13、1931年)
- 『医師マルティーノ、他』(Doctor Martino and Other Stories、1934年)十四の短編を集めた本
- 『征服されざる人々』(The Unvanquished、1938年)
- 『行け、モーゼよ、その他(英語版)(Go Down, Moses、1942年)※
- 『ポータブル・フォークナー』(The Portable Faulkner、マルカム・カウリー編纂・1946年)
- 『駒さばき』(Knight’s Gambit、1949年)(邦題『ナイツ・ギャンビット』とも)
- 『フォークナー短編集』(Collected Stories of William Faulkner、1950年)
- 『大森林』(Big Woods、1955年)(邦題『大いなる森』とも)
- 『ニューオリンズ・スケッチ』(New Orleans Sketches、1955年)
- 『長野のフォークナー』(ロバート・A・ジェリフ編、1956年)
- 『大理石の牧神』(The Marble Faun、1924年)
- 『緑の大枝』(A Green Bough、1933年)
- 『ミシシッピー』(自伝エッセイ、1954年)
- 『ウィリアム・フォークナー ニューオリンズスケッチ集』(カーヴェル・コリンズ編、1958年)
- 『ねがいの木』(娘のために書いた物語、1964年)
- 『最後の奴隷船』(ジョージ・S・キングの小説、1937年)
- 『待つと待たぬと』(ヘミングウェイの小説、1945年)
- 『永遠の戦場』 THE ROAD TO GLORY (1936年)
- 『脱出』 TO HAVE AND HAVE NOT (1944年)
- 『三つ数えろ』 THE BIG SLEEP(1946年)
- 『ピラミッド』 LAND OF THE PHARAOHS (1955年)
同じ年代の有名作品
- 「真昼の暗黒」アーサー・ケストラー(ハンガリー1940年)
- 「権力と栄光」グレアム・グリーン(イギリス1940年)
- 「タタール人の砂漠」ディーノ・ブッツァーティ・トラヴェルソ(イタリア1940年)
同じ国の有名作家
- リチャード・ライト(アメリカ)
- カーソン・マッカラーズ(アメリカ)
- トマス・ウルフ(アメリカ)
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